71 / 126
仕組まれた夜の過ごし方8
殺した奴らの財布には結構また入っていた。
ガキの家でシャワーを浴びてから、母親の死体を衣装ケースに詰めて、車でガキと運び港に捨てた。
血でダメになった服も海に捨てて、また新しい服を買いに行く。
ガキにも買ってやり、ついでに美容院でまともな髪形にした。
思っていた以上の仕上がりだった。
華やかで、人の目は引くが、上品な感じに仕上がった。
底辺のガキにはもう見えない。
金のかかる私学のお坊っちゃんだ。
これなら、連れて歩くのも悪くない。
オレは上機嫌になった。
「お前いくつだ」
高校生だとは聞いていたが、年齢は聞いていなかった。
「16」
ガキは答えた。
ガキは服や髪が嬉しいらしく、ウインドウに映る自分を嬉しそうにみていた。
誰かに手間をかけて貰ったこともないんだろう、このガキは。
だから嬉しいのか。
「本当にガキなんだな」
オレは笑った。
ガキが驚いた顔した。
「どうした」
オレは眉をひそめる。
「笑ったから、笑うんだなって」
小さな声で怯えるように言った。
そういえば、普通に笑ったのはひさしぶりかもしれない。
オレは笑った。
本当は今日はこのまま大学にアイツをさがしに行くつもりだったが、明日にしよう。
今日はもう少し、ガキと遊ぼう。
「選ばせてやるよ、好みの男を選びな 」
ガキの耳を噛みながらささやいた。
ガキは嬉しそうに笑った。
車を手に入れたのでもっと簡単に出来るようになった。
いくつか道具も増やしたし。
ガキが選んだ男に、人気のないところで銃をガキが突きつける。
そこへオレがスタンガンで痺れさす。
動かなくなったら車に連れ込み手足を縛り、猿ぐつわをして終了だ。
簡単だった。
気絶している男のポケットから財布を取り出し住所を確認する。
「今日はコイツの家に泊まろう」
俺は助手席のガキと舌を絡めてあってから言った。
「家族がいたらどうする?」
ガキがわかりきったことを聞く。
「殺せばいい。その髪形似合ってるぜ」
興奮しすぎて、立ってきたので、少し場所を変えて、車の中でガキの中に入れた。
もうすぐ殺す男が後部座席で目をさまし、怯えた目をしている前で、見せつけるようにガキを抱いた。
もう随分ガキは慣れてきてる。
ちゃんと奥までついてやれば、声をあげた。
尻をオレ合わせて振りさえした。
「いい」「もっと」
そう言うことを教え、舌でオレのモノを舐めるやり方を教えた。
飲み込ませた。
仕込みがいがある。
ガキも俺と同じでろくに食っていない。
ただ、ずっとやってるだけだ。
でも、二人とも疲れない。
オレもガキもずっとしたいだけだ。
これがおかしいことは俺にも分かっている。
拉致した男の家に向かう。
マンションだった。
逃げたらどうなるかを教えるために、指を一本切り落とし、男を従順にしてから、男の手足を自由にしてやる。
車はその辺に乗り捨てて、男の案内でマンションにむかった。
男は一人暮らしだった。
オレはこのマンションが気に入った。
オレは自分が何なのか、最近分からなくなるが、元々オレはそれなりに稼いでいる。
金のある暮らしの方が好きだ。
この男もそのようだ。
ガキのアパートよりいい。
今日はここに泊まる。
リビングで男を刀で貫いた。
やはりいい。
それでも、もしかしたらと助かることを考えていた男の目が絶望でいっぱいになり、それが流れ出すのは最高だった。
後はいつもの通り。
散々刺して、射精して。
その死体の横でガキを抱く。
ガキは、もう後ろだけでイクことを覚えた。
ただ怯えて、入れられたらシクシク泣いていたのは昨日の話だ。
「お前、気に入ったよ」
オレは感心して、ガキと舌を絡めあった。
これもうまくなっている。
コイツはオレのもんだ。
オレの下で喘ぐガキは、なんだ、その。
オレは囁く。
「お前、可愛いな」
言ってしまえば、愛しさが溢れた。
らしくもなく、甘やかすように頬や髪にキスを落とした。
ガキが潤んだ瞳でオレを見た。
自分から腕を伸ばしてきた。
ああ、誰にも甘やかされなかった、哀れなガキ。
初めて手をかけてくれたり、甘い言葉をくれたのは殺人鬼だったてのか、哀れなガキだ。
セックスと殺人が同じ意味の狂ったガキ。
それはオレと同じで。
優しくキスをしてやった。
甘やかすように髪を背を撫でる。
そんなこと、誰にもしてきたことはなかった。
死体の横で、オレは生まれて初めて優しい気持ちでセックスした。
ガキは酷くする時よりはるかに乱れた。
ガキが死体とやった後も、今度はベッドで優しく抱いてやった。
背中のアチコチにある煙草を押し付けられた火傷の痕を、優しく舐めてやった。
そうすればそんなことがなかったかのようになるかのように。
一つ一つ優しく。
声を震わせてガキが泣いた。
辛くて泣いているのではないことはわかった。
指で優しく涙を拭ってやった。
柄じゃない。
本当に柄じゃない。
ただ、感じるように優しく抱いてやるのは、意外にもオレにも気持ち良かった。
たまにはいい。
ガキを抱きしめて寝た。
この狂った数日間で一番ぐっすり寝た。
頭の中の声もこの夜には聞こえなかった。
ともだちにシェアしよう!