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終わりへと進む夜の過ごし方1
わたしを尾けてくる人がいる。
お家を出てからすぐわかった。
悪いモノだ。
わたしにはわかる。
悪いモノが入った人がわたしを尾けてきている。
どうしよう。
困っていたら、エジソン君とばったりあった。
エジソン君はお父様が、わたしのお友達につけた呼び名で、エジソン君はわたしのたった一人の学校のお友達だ。
わたしは兄様と同じで、普通の人には見えないモノが見える。
それを隠すことも知らなかった。
だから学校では気味悪がられて、お友達はいない。
エジソン君だけはお友達になってくれた。
実験が好きでお家で火を出したので、お父様はエジソン君をそう呼んでいる。
偉い発明家の名前だそう。
エジソンと言う人も子供の頃火を出したことがあるのだと。
だからエジソン君。
お父様が大学の研究室の実験の見学等に一緒に連れて行ってくれたりしたので、わたしとエジソン君はますます仲良くなれたのだけど。
今日はエジソン君に会いたくなかった。
悪いモノかわたしを狙っているのに巻き込まれるから。
「逃げて」
わたしはエジソン君に小声で囁いた。
わたしを置いて逃げればエジソン君は大丈夫きっと。
「どうしたんだい」
エジソン君はわたしの真剣な顔に青ざめる。
「つけられてるの。多分狙いはわたし。わかるの。一緒にいたら危険」
エジソン君に逃げるように促す。
「君を置いて逃げたりしない」
エジソン君は憤慨する。
この先は、人気がなくなる。
工事してる建物になる。
でも今日は工事していない。
だから人がいない。
ああどうしよう。
わたしは考える。
走っても、子供の足ではすぐ追いつかれる。
工事している建物にはいったら?
あの建物には工事前に入ったことがある。
階段は2つあるし、7階ある。
中でぐるぐる回ったら、相手はわたしを見失うかも。
出口は2つあるから待ち構えられることもないし、上手くすれば巻けるかもしれない。
わたしは覚悟を決めた。
「わたしを置いて行って」
エジソン君にわたしは言った。
「嫌だ。絶対」
エジソン君は言い切った。
嬉しかったけど、困った。
でも、ふたりで建物へ向かって走った。
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