92 / 126

終わりへと進む夜の過ごし方6

 おさまらない。  どうにもおさまらない。  オレ はイライラした。  ガキに苛立ちをぶつけるように後ろから突き上げる。    ガキが苦しげに呻く。  本当はこんなことをしている場合ではないことはわかっている。    後部座席の毛布の下には、女の子が気絶して寝ている。  毛布を剥がせば、乾いた血が広がる後部座席、そしてそこに横たわる女の子が見えるわけで、とっととどこかへ逃げた方がいいのはわかっている。    でも、男のクソガキを殺し損ねたことが、どうにもおさまらない。  うまく女の子に出し抜かれたことも。  殺す感触を味わいそこねたことも。  おさまりがつかない。   女の子を攫った場所から、ちょっと離れた場所で、オレはガキを裸に剥いて、車の助手席で突っ込んでいた。   もう、現場にはパトカーが来る音はしている。  おさまらない。  面白くない。  女の子がせめて殺せたらこの気分も収まるかと思うんだが、この後のお楽しみのためには殺せないし、女の子では犯す気もしない。   それに、女の子に下手に触ると、オレ達には良くないのは分かっている。  女の子は光っている。  毛布で隠していてもそれがわかる。  オレは舌打ちする。  本当にな面白くない。  ガキの穴は具合がいいんだが、コレだけでは足りない。  ガキが必死で耐えている顔が見える。  酷く突き上げているだけだ。  気持ち良くさせてはやっていない。  それでも前を立たせてはいるが、もう、生理的な反応なのも分かってる。    でも、優しくはしてやれない、  コレではイケない。  オレは穴から自分のモノを引き抜いた。    ガキを髪をつかんで座席から引きずり下ろし、オレが座った。  ガキの頭を、オレの股間のそれに押し付けた。  ガキは従順にそれを咥えた。  そこを無理やり頭を抑えつけた。  苦しげにガキが悶えた。  息が出来ないのだ。  だけど、歯を立てたりもしない。  オレは、アイツを思った。  もうすぐだ。   アイツでコレをする。  抑えつけ、喉の奥を犯す。  苦痛の呻き。  ああ、いい。  髪を乱暴に掴む。  歪む顔。アイツの顔になる。  たまらない。  これをしてから、殺してやる。  喉の奥でぶちまけた。  やっと気持ち良かった。   酷く扱われて、泣いているガキが見えたが、まだおさまらなかった。    今度はアイツだと思ってガキの穴に入れて犯した。  また後部座席に押し付け、背後から犯す。  ただひたすら、酷く突き上げるだけだ。  ガキが初めての時のように泣き声を上げるのが良かった。  髪を掴んで乱暴に扱う。  苦痛の声。  アイツが泣き叫んでいるようでたまらなかった。  たまらない。  突き上げる。  酷くするためだけにヤる。  髪を引っ張り、痛みを与えるために肩を噛む。  肉に歯が食い込み、血の味がした。  深く深く肉に歯を食い込ます。  ガキが悲鳴をあげた。  それがアイツの悲鳴だとおもえば笑いがこみ上げる。  「もうすぐだ」  オレはつぶやく。  もうすぐアイツにもこうする。、  オレはやっと気分が良くなってきた。  アイツをこうしてやる。  泣いてるガキを犯し続けた。     気分はとても良くなった。  ただ、ガキの中で放った後、オレはすすり泣いてるガキをどうしようか困っていた。  泣くなと殴って、泣くのを止めさせようかとも思ったが、何故かそうしなかった。  仕方なく、オレのせいで泣いてるガキを抱きしめて、あやすように背中を撫でていた。  肩を噛んだ傷がもう消えている。  やはりオレ達はもう人間じゃない。  「殺しても良かったんだぜ」  オレは優しく囁く。  その言葉にガキがオレの腕の中で震える。  「犯ってから、殺しても。でも、お前にはそうしなかっただろ。酷くはしても、殺さない」  頬を撫でる。  オレはガキの肌に触れる。  この肌が気に入っている。  背中のタバコの火傷の後さえ。   この顔も。  初めはちょっと綺麗な顔だと思っただけだが、今はすっかり気に入っている。  抱く以外ではほとんど表情のないところも。   ほとんど口をきかないところも。  抱いた時の乱れた顔とのギャップがたまらない。  「確かに酷くした。でも、分かれよ。お前は殺さない。お前は特別なんだ」   オレはらしくもなく、優しくそっと唇を重ね、離 し、また重ねる。  優しく。優しく。なだめるように。  ガキもしゃくりあげながらそれに応えた。  髪を撫でる。   何だろう、この気持ちは。  オレには分からなかった。   「後で優しく優しく、抱いてやるから機嫌直せ」  オレは囁いて、また優しいキスを繰り返した。  裸のガキを抱きしめて、キスしているオレに警察官が窓を、叩いて注意した。  周辺をパトロールしに来たんだろう。  ゲイのセックスシーンを見てしまって、動揺しているのがわかる。  ものすごく嫌な顔をしていた。  「こんなところでやめて下さい。犯罪ですよ」  オレは謝った。  「すみません、ちょっと盛り上がってしまって」  オレは運転席に戻り、ガキに服を手渡した。  ガキが慌てて服を着たのを確認し、オレは警察官に手を振り、車を発車させた。  警察官は後部座席を確認しようともしなかった。  女の子も、血の痕も、  オレはおかしくなって笑った。  なんならトランクにはこの車の主が入っているのに。  さあ、そろそろ、アイツを捕まえる作業にはいろう。      

ともだちにシェアしよう!