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絡まった夜の過ごし方2
連絡は私の携帯の方にかかってきた。
娘の名前が表示された電話を通話にする。
「もしもし、お父さんだよね」
電話の向こうで男が笑っている。
怒りが腹の底からこみ上げる。
「娘は無事か?」
それでも、知りたいのはそれだけだ。
「大丈夫、大丈夫。アイツと交換するまではちゃんと生かしておくから。でもね、お父さん。お父さんとしては、生きている以上の保証も欲しいよね? 娘さんに、色々されたら嫌だよね」
男は実に楽しげだ。
「何が言いたい」
目の前に男がいたらいいのに。
一瞬で殺してやるのに。
「オレはお父さんに、娘さんへの愛を見せて欲しいわけ。確かにオレは女はダメだし、ロリコンでもないから、娘さんにやらしいことは出来ない。でも、指を折ったり、死なない程度に殴ったり、何なら指を斬ったりとかは出来るわけ。でも、お父さんそういうの嫌でしょ?」
男の言葉に私は叫ぶ。
「あの子に手を出すな!」
「だから、そうしないために、お父さんにお願いしたいことがあるって言ってるのに、気が短いなぁ。電話止めちゃうよ?」
男の言葉に私は黙る。黙るしかない。
「お父さん、もうそろそろオレの正体は警察にバレるわけ。多分、テレビとかでオレの写真なんかも出回って、オレも動きにくくなっちゃうわけ」
男が何が言いたいかわからない。
「オレは今あんたと、一緒にいるアイツに用がある。もう会いたくてたまらないけど、会いに行くのも大変になってきてね、だからお父さん、オレ のふりして警察を引きつけてくれない?」
まだ男の言っている意味が良くわからない。
「お父さんにはオレになりすまして、騒ぎを起こして欲しいってこと。警察はそちらに集中するでしょう?その間にオレはアイツと会う。娘さんも連れてね。そしたら、オレはアイツに用をすませ、娘さんは解放する」
私は男の言葉に唖然とする。
この男、何を考えているんだ。
「今から言うものを用意してね」
男は計画を告げ始めた。
「娘に指一本触れて見ろ、殺してやるからな」
お父さんは実に父親が言いそうなことを言ったのでオレは笑った。
「殺すの?ふうん」
殺したこともないヤツが、怒りにまかせて口だけは言うね。
「私がお前に会ったら、お前が殺されると思う間もなく、後悔なんかする間もなく、殺してやる」
お父さんの言葉は意外でちょっと気をひいた。
「普通、死ぬ方がマシな目にとか、後悔させてから殺すんじゃないの?」
このお父さん、面白い。
「私も学んだことがあってな、殺さなきゃいけないヤツは躊躇なく殺せる瞬間に殺さないと、殺し損ねてしまうことがあるってことだ。お前は私の息子も襲ったな?私の家を襲わせたのはお前だろ?」
お父さんの声は冷静で。
ああ、コイツ、知ってるんだな。
教授とかいうことだったのに。
コイツは知ってる。「殺す」って言葉の意味。
「そう、オレだよ。オレが襲わせた」
オレは楽しくなってきた。
「私の家族をお前は傷付け殺そうとした。私は絶対にお前を殺し損なわない 。お前が私に会う時は、お前は即座に確実に死ぬ」
冷静な声だった。
コイツ、本物だわ。
「あんた、殺したことあんの?」
オレは尋ねた。
わかっていたけれど。
「ある。一度。若い頃に、外国で内戦に巻き込まれてな。あの時は躊躇したから、大切な人が殺された。私は二度とは迷わない」
ああ、やっぱり。
コイツはわかってる。
オレは好意すら持った。
「じゃあ、お父さん、また指示送るから。どうするかは連絡するからね、またね。そこにアイツいるんでしょ、代わってくれる?」
オレの言葉にお父さんは黙った。
「もしもし」
アイツの声。
オレのモノが声だけで立ち上がる。
ああ、ヤりたい。
おさまらない。
オレのモノがうずく。
とりあえず、もどってガキとやろう。
「もうすぐ会えるから、楽しみにしていてね」
オレは囁く。
「あんたのそこにオレのを突っ込んで。思いっきりかき回して。喉の奥までオレのものをいれて、あんたの喉でいきたい。あんただけは入れながら刺して、突きながら刺したい」
オレがすることを教えてやる。
「・・・ああ。会えるのを楽しみにしてるよ」
声が耳元で聞こえた。
セックスの時の距離じゃないか。
オレはゾクゾクした。
たまらない。
オレは電話をきった。
オレはガキと女の子のいる家に戻った。
玄関でガキの名前を呼ぶ。
出てきたガキを廊下で押し倒した。
ガキのズボンを下ろして、オレのモノを入れる。
ああ、やっぱりいい。
思わず呻く。
出て行く前にもしていた、というかずっと繋がっているので 、何もしなくてもすんなり入る。
殺してきたところだし、アイツとヤることを考えていたりしたので、おさまりがつかない気分だった。
ずっとガキのここに入れたかった。
味わうように動かせば、やはりここは気持ちいい。
オレは上機嫌になる。
オレはガキの上で動く。
コイツがいい。
コイツの中がいい。
すっかりオレの形を覚えて、オレのモノを締め付けるここがいい。
オレも声がこぼれてしまう位いい。
ガキも吐息をあげる 。
ガキの顎をつかみ、舌を入れる。
オレは眉をひそめた。
最近のガキなら、すぐに夢中になって自分から舌を絡めてきてそれが良かったのに、ガキは怯えたようにおずおずとしか舌を絡めてこなかったからだ。
「どうした」
オレは顔を挟みこんでガキに聞く。
出て行く前には優しく抱いてやったから、とろけきった甘い表情を見せていたのに、ガキの表情が硬い。
ガキの目がオレの視線に泳いだ。
まるで、初めの頃のような顔だ。
オレを怖がっている顔だ。
どうして。
オレは動揺していた。
こんな顔をみたいわけではない。
「おい、なんだよ」
突き上げれば、声を上げて感じるのはいつもの通りだけども、何かが違う。
「何があった」
オレはさらに強く突き上げた。
悲鳴のような声があがる。
コイツの好きなところをオレのモノでこすり立てる。
こうすれは、おかしくなる位感じるのはいつもと同じなのに、オレにしがみついて耐える代わりに、床に爪を立てて耐える。
やはり違う。
「何があったんだ!」
オレは苛立ちを隠さない。
「何も、ない・・何 、も」
ガキが首をふる。
嘘だ。
嘘をついている。
オレは頭に血がのぼる。
怒りにまかせて、何なら殺してしまおうかと思わなかった訳じゃない。
いつもみたいに酷くしてしまえばいい、と思わなかったわけじゃない。
でも、せっかく、せっかく。
コイツの前で他の男を抱くのがなんとなく嫌で、コイツを置いていったのに、僅かな間に、コイツが前に戻ってて。
コイツが、コイツが。
オレは混乱する。
別にこんなガキがどういう態度とろうがどうでも良かったはずた。
少し面白かったから生かしておいただけで、グチャグチャ泣く人間とやるよりも、死体とやるよりも、コイツの穴の具合のがマシだっただけで。
オレの手伝いさせるのと、処理用の穴にだけ用があっただけで。
なのに、オレはガキを抱きしめていた。
痛めつけるかわりに。
「オレを怖がるな、お前だけは」
そんなことさえ言っていて。
ガキがオレの声に震えた。
「オレが、優しくしてやるから」
オレは髪を撫でて囁く。
このガキが優しくされるのが好きなのをオレは知っている。
優しく、丁寧に、感じるように動いてやる。
名前を呼んでやる。
またガキの身体が震えた。
優しい触れるだけのキスを唇に繰り返す。
「こんなキスとかすんのはお前にはだけなんだぜ」
オレは本当のことを言う。
誰にもこんな甘ったるい真似はしたことがなかった。
ガキが泣く。
感じ過ぎて泣いてる涙じゃない。
嫌がって泣いてる涙じゃない。
オレはホッとした。
「お前だけなんだ」
涙を優しく舐めとりながら囁く。
オレの背中にガキの腕がおずおずとまわされてきて。
ガキが戻ってきたのがわかった。
戻ってきた。
オレのところに。
なんだ、この安心感は。
顔は確かに少しは好みだし、穴の具合は良かった。
でも、外見は大人びてはいてもオレが好む年齢よりは下すぎるガキだし、いかにも底辺のガキ臭いし、背中は虐待痕だらけだし。
でも、オレはガキがオレにしがみつくのに安心したのだ。
「なあ、強くしてもいいか?そういう気分なんだ」
オレはガキに囁く。
我慢は限界にきていた。
オレはガキを今は貪りたかった。
でも、我慢していた。
ガキが怯えるのが嫌で。
この、オレが。
ガキは驚いたようにオレを見つめたが、頷いた。
オレはやっと安心して ガキをむさぼった。
本当に、らしくない。
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