117 / 126

最後の夜の過ごし方3

 オレは後しろ手に縛られた。  拘束バンドで手をとめられたのだ。  シャツを首のところまでまくりあげられ、ズボンと下着をおろされる。    足はヤりやすくするためか 、しばられていない。  オレにのしかかる男の顔がない。  穴だ。  真っ黒な穴。  せっかく、男が刀を手放しているのに、逃げられない。  でも、これであの子は逃げれた。  助けを読んできてくれる。  それまで、持ちこたえれば。  レイプでも何でもさせてやれ。  生きてさえいれば。  オレは覚悟した。   「あの娘を逃がせたと思っているね」  顔の穴の中から男が言った。  「私を出し抜けたと」  その声は落ち着いた年配の男性の声で、男とは似ても似つかぬ声だった。  男の手がオレの胸を撫でさする。    ビクン  身体が震えた。  え、何。  穴の顔が、オレの胸に降りてくる。  それにゾッとしたが、穴であるのにどうなっているのかわからないけれど、暖かい淫らなもの、舌がオレの乳首をなめあげるのがわかった。    はぁっ  オレは思わず漏れる声に驚く。  何、コイツ、めちゃくちゃ、巧い。  確かにオレはもう、開発されきった身体で、誰が相手でも感じるビッチなのは認めるけれど、でも、コイツ、オレが相手してきた連中とは、桁違いに巧い。  あの人に言ったら怒るだろうが、変態でセックスがいい位しか取り柄のないあの人よりも。  指がオレの胸を弄る。  どうさわったら、そんなにな、る。  乳首が甘く噛まれる。  快感が走るのを止められ、な。  嫌、違う、オレは快感を集めてる。  オレは感じようと身体に命令してる  だから、余計に。      ああ、ああ、お父さん、もっと  オレは口走っていた。  オレじゃない。  オレの身体を感じるようにコントロールしているのもしゃべっているのも。  「いい子だ」  男は笑った。  淫らな指使いと、舌使いでオレは胸だけで追い上げられていく。    お父さん    お父さん  オレは叫びながら射精していた。  オレはオレの精液を使って、穴をほぐされていた。  そうしなくても、数時間前に教授と身体を繋いだばかりだから、ほぐれてはいたのだけど。  ここでも、男の指は淫らで巧みで。  オレは何度も、声をあげさせられた。  この男は誰だ。  オレの知っている、あの男はこんな指使いはしない。  「お前が何人咥えこんだのか知らないが、私には及ばないよ」  身体の仕組みを知り尽くした指が、容赦なくオレを追い込む。  「アソコから出て行く為には誰よりも 性技に長けてなければならなかった。お前みたいに楽しみで男と交わっていた者達とは私は違うんだよ。お前の中の子も私と同じだがね」    強制的に射精させられる。    コイツが、コイツが、あの子の言っていた悪いモノなんだな。  オレはコイツの指に怯える。  嫌だ、嫌だ。  気持ち良くても嫌だ。  オレは教授の指を思った。  教授の舌を思った。  熱い。熱い。  そしてオレを噛む、歯。  オレをひたすら求める熱さ。  あれがいい。  こんなのは嫌だ。  「あの女の子を逃がせたと思ってるんだろう?」  男は穴の顔の向こうでわらった。  「おいで」  声を男がかけた。  まだ若い少年と言ってもいい男が、教授の娘を引きずるように連れて来ていた。  オレは絶望した。  逃がせなかった。  「この女の子は光ってるからね、すぐ見つけられる」   どういうことだ?  少年は「お友達」になったんじゃなかったのか?  少年は穴になってしまった男の顔に怯えた 顔をしたが、何も言わないで、しっかりと教授の娘を後ろから抱えていた。  教授の娘が泣きじゃくる。  友達になったと思っていたのに裏切られたのだ。  当然だ。   でも、まだ、教授が来る。あの子もくる。  きっと来る。    「あの子をお前の中から引きずり出すには、やはりこうしてやらないといけないね」  男はオレの穴に自分のモノを押し当てた。  押し入れられて突き上げてられた。  頭が白くなる快感。  コイツ巧い。  巧すぎる。  一ミリのブレもなく、ポイントをこすられるこの感覚。  オレの意志など関係なく、快感が直接、脳にくる。  なんだ、コレ。  そして、オレの身体の中の遊女が、オレの身体の快感をあますことなく拾い上げるから、余計に、クる、    またオレは声を上げて射精した。       溺れてしまえば耐えられる  オレの中の遊女が囁く。    でも、嫌だ。  嫌だ。  嫌だ、  オレの中の遊女にオレは叫ぶ。    意志などねじ曲げられる快感の中で。   お前は好きな男に好きになってもらって   抱かれたことがないから、わからないんだよ。   好きな男とするのは、   気持ちいいだけじゃないんだよ。      嫌だ   嫌だ  それでもオレはまた射精していた。  とてつもなく気持ち良いのに、とても嫌な気分だった。  「嫌だ!!」  そう叫んだのはオレではなかった。  少年が男に向かって、木の枝を思い切り振り下ろしていた。  オレはその隙に、男の下から這い出した。  泣いてる教授の娘に逃げるように促す。  だけど、娘は動かない。   少年が何度となく男を殴りつけた後、振り返った。  「ごめん。オレ、君のお兄さんも襲った。あの人がオレは死なないから大丈夫だからって言われて、車でつっこめって。でも大丈夫、お兄さん死んでない」  少年は泣いていた。   男を再び殴りつける。  頭が潰れる音がした。  「早く逃げて。オレ達は死なないから。潰されても、元に戻るから。オレなんかぐちゃぐちゃに潰れたのに、こうやって戻っているから」  男の子は泣きながら教授の娘に言う。  「オレはもう、戻れないから、早く逃げて。オレが次は君を殺すかもしれないから」  それは悲鳴のような声だった。  オレは、教授の娘を促す。  教授の娘はやっと動いてくれた。  「縛られてる」  「結束バンドは刃物がないと切れない、このまま逃げるよ、とりあえず」   神社の出口を目指した。  ズボンも下着もずりさがった、惨めな格好だけど、そうも言ってられない。  走りにくい。  これでは走れない。  「先に行って。そして君のお兄さんを連れて来るんだ」  こんなもの、オレの手に負えるもんじゃない。  なんとかなる出来る限り人間は一人しか心当たりがない。  あの子だ。  悲鳴が聞こえた。  振り返れば少年の 両手が飛んでいくのが見えた。  吹き出す血。  両肩の付け根から綺麗にたったの二閃の刀のきらめきが、腕を地面に落とす。  獣のように叫ぶ少年。  「首だけはハネてなかったな、オレ達は首切り落とされたらどうなるんだろうな」  頭の形を歪めたまま男は言った。  顔は真っ黒な穴のままだが、声はオレの知っている男の声に戻っていた。  刀が血に濡れている。  「でもその前に」  男は地面に両手を失い倒れた少年のを見下ろす。  また二閃。  両足が切り落とされた。  少年は絶叫する。  男は両手両足を失った少年のズボンを引きずり脱がせた。  そして、血を流し、泣きわめく少年を裏返し、その尻をわりひらき、のしかかり少年を犯し始めた。  「相変わらず、具合だけはいいじゃないか、この穴は」  男は犯しながら嘲笑う。  「裏切るなんて、オレを裏切るなんて」  刀でも、背中から貫く。  叫びながら。  「オレを裏切るなんて!!」  男の絶叫には、悲しみみたいなものが感じられたのは気のせいだろうか。  男の子は死なない。  こんなにされているのに死なない。  「オレは、優しくされるためだけに、人を殺したり、切り刻まれるのは、もう、嫌だ!」  そんなになりながらも、少年は男をにらみ、言った。  それを言うためには、どれだけの意志が必要だったのだろう。  男は刀を止めた。  「言いたいことはそれだけか?」  低く声は何の感情もなかった。  「優しくされたいんじゃないんだ・・・そんなんじゃないんだ・・・」   少年は呟いた。  「オレはあんたが好きだったのに!!」  少年は叫び、  男は雄叫びをあげ、少年の首を切り落とした。  「裏切ったくせに!」  男は吠えた。  首の無くなった少年の身体で達しながら。    思わず固まっていたけれど、オレは自分がどう逃げるかを考えなければならないことは分かっていた。  次はオレだ。      

ともだちにシェアしよう!