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第二夜

木曜日。 休日明けの出勤日が訪れた。 眞央はいつもより早めの時間に出社すると、喫煙コーナーにやって来て、タバコを吸い始める。 熱い一夜を過ごした倫平と、今日はまた上司と部下として顔を合わせる日。 朝からソワソワして落ち着かない気持ちをどうにか落ち着かせようとタバコの煙を浴びながら考えを巡らせた。 眞央は倫平にどんな顔をして接すれば良いのか分からずに今日を迎えていた。 あの夜、倫平が眠っている隙に部屋を出たのも、合わせる顔が分からなかったからだ。 確かに、倫平とは自分が提示した条件の下、合意に至って事に及んだ。 今日からは何事もなく、上司と部下に戻る約束だ。 が、それはあくまでも『コトに及ぶ』前に出した条件だ。 まさか、本当に『コトに及ぶ』とは思っていなかったし、ましてや、一番に想定していなかったのは、自分自身があそこまで淫らになってしまうなど一ミリも想像していなかったことだ。 あんなに夜の淫らな顔を晒しておいて、今日は一体、どんな顔で上司面をしてれば良いのか? 眞央は倫平と体を重ねてしまったことを少なからず後悔していたし、自分があそこまで節操を忘れるほどセックスに流されてしまう愚かな人間だとも思ってなかった。 眞央は倫平との熱い夜を思い出した。 《体の相性って本当にあるんだな・・・初めてだよ、セックスで演技を入れなかったの・・・》 眞央はいつもワンナイトのセックスを楽しむときは多少の演技を入れることにしている。 理由は明白だ。 そちらの方が断然盛り上がるし、一回限りのセックスを思いっきり楽しめるからだ。 その場限りのセックスには安っぽい甘いセリフとありきたりな喘ぎ声は必須だ。 「スゴい・・・っ! スゴい・・・っ!」と、このセリフを言わせたら自分でも割と上手い方だと自負している眞央だが、眞央自身も結局何が凄いのか?よく分かっていないままいつも演技に活用していた。 《・・・知らなかった。 ホントに気持ち良いと、「許して・・・」って出ちゃうんだな・・・。 だからって、尻でイッちゃダメだろ・・・》 眞央は思い出すだけで赤面した。 やはり、自分があんな痴態を晒すことなど今までの経験からは考えられないからだ。 体は、まだあの夜の快楽が忘れられないのか、思い出すだけで自身の股間が熱くなり出すのを感じる。 《なんで、男の体ってこんな単純バカに作られてあるんだろう?  あいつが同じ職場じゃなかったら・・・また誘ってたのに。   まさか、名器を持つ男がこんな近くにいるとはなんという運命のいたずら。  大きくもなければ小さくもなく、長くもなければ短くもなく、頭もデカくなければ小さくもなく・・・まさに理想の丁度良いチンコだったな・・・》 「あいつは名器・・・AVみたいなタイトルだな」と、呟くと、「フフフ」と失笑した。

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