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「アハハハハハーっ!」と、倫平が上機嫌で笑った。
終業後、眞央と倫平はふたりの行きつけとなった大衆食堂で夕食を取っていた。
「それは俺をないがしろにした罰ですよ、罰っ」と、どこか嬉しそうな倫平。
「・・・・・」
眞央は不機嫌そうに口を尖らせた。
「そんなことぐらいで機嫌を悪くしてたんですか?」と、呆れた物言いの倫平。
「そんなことぐらいってお前な・・・」と、眞央は倫平にバカされたのが余程悔しかったのか更に唇を尖らせる。
「だって、仕事帰りにそのままホテルに行ったら、セフレの彼氏がホテルの部屋にいて、いきなり3Pしようって言われてさ・・・こっちはセフレとやるつもりで行ってるんだよ・・・なのに、あいつらは結局オレを自分たちのセックスを盛り上げるための道具に使ったんだよ。
ふたりで盛り上がったら、さっさとオレを完全無視。
どう思う?」
「・・・・・」
「こっちは、折角の休日の前の夜だよ。
他人のセックスの刺激の道具に使われただけでさっさと帰されるなんて、誰だって機嫌も悪くなるだろう?」
「・・・・・」
倫平が憐みのような目で眞央を見つめていた。
「なに?」
「なんにも」と、口にした倫平だったが、
《ホントにセフレと会ってたんだ。
心配して損した・・・》と、心の中で呆れるように呟いた。
しかし、目は口ほどに物を言うのか?、倫平の心の声が眞央に伝わったかのように、「何か言いたいことあるんだろう?」と、眞央はしつこく口撃してきた。
「別に」
「嘘つけ。
言えよ」
「じゃあ、言います。
いい気味です。
すごくいい気味です」
「・・・・・」
「俺を選ばなくて、この人は本当にバカな人だなって思いました」と、倫平は口撃し返した。
「・・・・・」
眞央はふて腐れたように今度は頬を膨らませた。
倫平はその表情を見て、「子供かよ・・・」と、今度は心の中で呟き、笑った。
「で、そのセフレとは今後どうするつもりなんですか?
そんなことされたのにまた会ったりするんですか?」
「どうだろうなー。
体の相性は意外と良かったと思うだけどなー」
「・・・・・」
倫平はなぜかその言葉に腹正しさを覚えた。
「・・・なあ」と、眞央。
「はい」
「今晩・・・軽くとかはダメか?」
「軽く?
軽くってなんですか?
明日も仕事ですよ?」
「そうなんだけどさ・・・」
「来週まで待てないんですか?」
「・・・・・」
「店長がそこまで誘ってくるってことは、恋人同士のやってるとこを生で見たせいで、あてられて、体が火照ったままだとか?」
「・・・・・」
倫平が得意の意地悪そうな顔つきを浮かべて、眞央を見つめてきた。
眞央はコップに入った水をグイっと一口飲んだ。
図星だった。
倫平が意地悪な顔をした時は完全に眞央の心を見透かしている時のようだ。
「だったら、今度はオレの番ですよね?」
「何が?」
「今度はオレが条件を追加するターンってことですよね?」
「・・・・・」
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