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第五夜
「おはようございま~す」の声と共に倫平が出社した。
『BSC』の星ノ空支店の店内は正面玄関を入ると、目の前にすぐ受付のカウンターがあり、そのカウンターの背後に従業員らのデスクが客の目からも目に見えるようにオープンに設置されてある。
ちなみに、店内の右側の窓際付近にはパーテーションで区切られた商談ルームがいくつかあり、左側の窓際付近にはキッズルームなどが設備されてある。
倫平は着くなり、店内全体を見渡せる位置に配置されてある、店長のデスクにいるはずの眞央の姿を探した。
が、珍しく眞央の姿が見当たらない。
いつも早めに出社してくる習慣がある眞央の姿がいないことに少しの戸惑いを感じた。
倫平はタバコでも吸いに行ったのか?と思い、眞央を探しに喫煙所に行こうとした。
「おはよう」
「!」
朝の挨拶と共に出社してきた副店長の木下を見て、倫平は驚く。
「あれ!?
木下さん、なんで、出社してるんです?!
今日から東京出張ですよ!」
「それが、昨日、いきなり店長から連絡があってさ。
東京出張交代しろって」
「えっ! どうして?」
「さあ。
本社にでも呼び出されたんじゃない?
ほら、店長、最近やらかしちゃったから。
例の不倫事件」
「じゃあ、店長は来週まで出勤してこないってことになるんですか・・・」
「そうなのよ。
だから、オレ休日返上。
イヤになっちゃうよ。
まあ、その分、連休で休みをもらう約束を店長に取り付けたけどね」
「・・・・・」
倫平は自分のデスクに戻ると、スマホを取り出した。
倫平は眞央にメッセージを送信する。
『大丈夫ですか?
本社に呼び出されたんですか?
なにかあったんですか?』
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