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数日が経過し―。 『BSC』星ノ空支店の喫煙所に仏頂面の倫平がいた。 一日の業務を終えた倫平はイライラを押さえるように、貧乏ゆすりをしながら、タバコを何本と吹かしていた。 もう片方の手にはスマホを握りしめている。 そのスマホにインストールしてあるチャット型のコミニュケーションアプリを確認する。 眞央からの返信が一切届いていない。 電話による連絡も来た形跡が全くない。 木下から東京出張を交代した話を聞いてから、幾度となく、『大丈夫ですか?』と、眞央の状況を心配するメッセージを送信してみたが、今現在、見事にそれらのメッセージ全てに対して既読スルーされている。 《なんで、連絡よこさないの? 人がこんなにも心配してるっていうのにっ!》 星ノ空支店の店員仲間から、爽やかの代名詞と称される倫平をこの数日間、ずっと仏頂面にさせている原因はこれだった。 倫平は腕時計を見た。 夜の七時半を回っている。 今なら、東京出張でこなす予定の仕事も終了してるはずだ。 倫平は我慢しきれず、眞央のスマホに電話をかけた。 数回の呼び出しの後、「留守番電話サービスに接続します・・・」と、音声メッセージが流れる。 「ああっ、もうっ!」と、倫平はイライラが爆発したように、スマホの通話の切りボタンを押した。

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