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急遽、一緒に客の元へ直接伺う、中古自動車の買取査定に行くことになった眞央と倫平。 社用車に乗り込み、眞央が運転した。 どちらから話すこともなく、ふたりの間には不穏な空気を漂わせている。 倫平が前を向く眞央の横顔をじっと見つめてきた。 眞央は前を向きながらも倫平の視線が痛いほど感じた。 「・・・禁煙したって本当ですか?」と、倫平が口を開いた。 「ああ」 「どうして?」 「・・・・・」 「・・・俺のことを避けてません?」 「・・・・・」 「最初の夜に約束しましたよね? 何があっても、俺を無視しないって」 「してないだろう」 眞央の素っ気ない物言いにカチンとくる倫平。 「俺が何かしま・・・」 眞央は遮る様に、 「これ、社用車だからな」と、口をはさんだ。 続けて、 「本社からの指導で、交通事故を起こした時などの使用目的で、車内の様子や会話もきちんとドライブレコーダーに録画されるよう設定されてあるからな」と、眞央はこれ以上、車内でプライベートな話はするなという意味での釘を刺した。 倫平はその言葉の意図を承知したのか、 「じゃあ、後で店長のスマホにメッセージを送っておくんで、絶対読んでおいてください」と、返答する。 「・・・・・」 「無視した時はどうなるか分かりますよね?」 「・・・ああ」 どうして眞央が急にこんなにも自分に対して冷たい態度を取り出したのか? 全く理解できない倫平は眞央の豹変ぶりに頭が混乱していた。

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