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翌朝―。
眞央は洗面所の鏡に映る自身の姿を眺めていた。
上半身裸の眞央は鏡に映る、胸の辺りに出来たいくつもの小さな赤いあざのようなモノ《倫平によってつけられたキスマーク》に困惑な顔を浮かべていた。
《煽ったオレにも責任があるんだろうけど、倫平がこんなにも独占欲が強い奴だったとは・・・。
もっとクールな奴だとばかり思ってたんだけど意外だな・・・。
意外と言えば、オレも初めて生でやって中だしまで許しちゃうなんて、早速自分を見失ってる・・・》
鏡に映る出来たばかりのキスマークを手で摩る。
《そう言えば、昔、オレも元カレによくキスマークつけたな・・・》
眞央に苦い思い出が蘇る。
眞央は鏡に映る自分の顔を問いかけるようにじっと見つめた。
《二度と恋はしないと誓ったんじゃなかったのか・・・?
また、同じ失敗を繰り返したらどうするつもりだ?
倫平に告白されたからって、浮かれやがって!
何が、『オレを倫平の恋人にしてください』だ。
まんまと流されやがって!
倫平とこの先うまくやっていける自信があるのか?
倫平を失ったら、今度こそ立ち直れなくなるぞ・・・だから、その前に終わらせようとしたんじゃなかったのか・・・?
・・・でも、倫平に対するこの思いはもう止められそうにない・・・》
「だって、中だし許しちゃうぐらいだもんな・・・てか、昨日の暴発させた時の倫平の顔、めちゃくちゃ可愛かったな・・・ハアー、やっぱり諦めるなんて無理だ・・・」
眞央が困ったように鏡に映る自分を見つめていると、「もうーっ!」と、駄々っ子のような声を上げて、倫平が洗面所に乱入してきた。
「やっぱり起きたら居なくなってんじゃんっ!」と、倫平は眞央の背後に回ると、両腕を眞央の体の前に回して、眞央にしがみついた。
「顔を洗いにここに来てただけだろう」
「俺が起きたときは傍に居ててほしいのっ」と、倫平は甘えるように体を眞央に密着させる。
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