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第9話

(俺が、書いてやる。不幸の手紙)  幸は気丈にふるまってはいるが、この一週間苦しみ抜いた。  しかも手紙の犯人は、クラスメートだったのだ。  傷ついただろうな、と勇真は胸を痛めた。  お気に入りの八柳を苦しめやがって、と憤慨した。 (倍返し、してやる)  倍というのは、2倍じゃない。  10倍だ。  にやりと笑うと勇真は席に着き、ペンを執った。 『これは不幸の手紙です。この手紙を読んでしまった以上、24時間以内にあなたは不幸になります』  秒で不幸にしてやるぜ。  これをノートに走り書いて破り、5人分準備した。

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