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第10話

「おい、これ」  翌朝、田畑は勇真が机に投げ込んだ手紙を本村に見せていた。 「あ、お前も?」 「俺んとこにも、入ってた」  木下が、川口が倉橋が、口をそろえてくだんの手紙を話題にした。 「いたずらだろ、誰かの」 「八柳の仕返しかな」 「あいつに、そんな度胸ねえだろ」 『これは不幸の手紙です。この手紙を読んでしまった以上、24時間以内にあなたは不幸になります』  いわゆる不幸の手紙だろうが、不幸が24時間内にやってくる、というのはずいぶんせっかちな話だ。  しかも、読んでしまった時点で不幸決定、というのも救われない。

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