放課後、幸は勇真を必死で説得していた。 「ねえ、お願いだから田畑くんたちを元に戻してやってよ！」 「やだね。あいつら、気に入らねえから」 　僕のせいで5人の人間が不幸に、と呟く幸の声を、勇真は拾い上げた。 「勘違いすんなよ、お前は関係ねえ。俺がやりたくってやったことだ」 　あぁ、と幸は額を抑えた。 　やっぱり、誰かに相談なんかするべきじゃなかった！　 　よりによって、魔法使いに打ち明けて5人が消されてしまうなんて！ 「……ね、田畑くんたち、異世界で大丈夫かな。『タラナン荒野』って、どんな所？」 「岩山とブッシュ以外は、なーんも無い所。運が良けりゃあ、旅の勇者御一行様に助けてもらえるかなぁ？」 　ははは、と笑う勇真が、怖い。 「お願いだよ、元に戻してやって！　僕、何でもするから！」