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第18話
大きな勇真の家は、玄関に入ると新築の匂いがした。
「さ、上がれよ」
「おじゃまします」
魔法使いの部屋って、どんなだろう。
秘薬の元とかが、壁にずらりと干してあったりするんだろうか。
そんな風に考えていた幸だったが、勇真の部屋はいたって平凡な内装だった。
デスクに本棚、クローゼット。
そして、ベッド。
そこに腰かけ、勇真はやたらニヤニヤしている。
音楽準備室でやったように、隣に座るようにぽんぽん叩いている。
「何でもやるんだよな?」
「うん」
「何してもいいんだな?」
「え?」
いただきまーす! と、勇真は幸をベッドに押し倒した。
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