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第19話
「ま、待って! 澤くん、ちょっと待ってぇーッ!」
「何だよ、今更。もう遅いっての」
「でも! 心の準備が!」
じゃあ、と勇真は幸を組み伏せたまま耳元で囁いた。
「俺を抜かせろ。一回に付き一人、元の世界に戻してやる」
「じゃあ、合計5回……!」
「どうする?」
イヤなら辞めてもいいんだぜ、と勇真は意地悪を言う。
幸の性格を、誰より熟知していながら。
「解った、やる」
「そう言うと思ったぜ」
にぃっ、と笑うと、勇真は幸にキスをした。
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