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第33話

「後ろ慣らすから、瑞樹は前を気持ちよくして」  耳朶を噛まれながら言われ、俺は真っ赤な顔でこくりと頷いた。  発情期でなくても、気持ちよければオメガの後口は濡れる。   でもいきなり貴一さんの太い指を二本も突っ込まれて、なんの痛みもなく受け入れられる自分の体が恥ずかしかった。  俺は対面で自分と貴一さんの屹立を一緒に握ると、手を上下させた。  貴一さんが息をつめ、こちらを見る。  自らの下唇を舐め、「上手だよ、瑞樹」とかすれた声で言う。  セクシーなその仕草に俺は見惚れた。  貴一さんがゆっくりと俺の中の指を動かし始める。  三本目も突き入れ、くぽくぽと後口を広げていく。中まで冷たい空気が入ってきて、俺はぞわりと肌を粟立たてると貴一さんに縋りついた。 「もぅ、入れて」  貴一さんが宥める様に俺の背中を撫で、指を引き抜くと自らの熱にゴムを着けた。  俺の腰を両手で持ち上げ、灼熱の上に導き一気に落とす。 「あ、イッ、やあああぁ」 「ごめん、瑞樹。痛かったか?」  貴一さんが俺の顔を覗き込む。  俺は首を振った。  貴一さんを根元まで受け入れただけで、あまりの快感で俺は白濁を放っていた。  後口がきゅっと貴一さんを締め付けるのが分かり、居たたまれない。  俺の体の変化を感じ取ったのか、貴一さんが微笑んだ。 「瑞樹。動いていい?」  俺が頷くと、貴一さんが下からゆっくりと突き上げ始める。 「あっ、あっ、んん」  貴一さんの肩をぎゅっと掴んだ。  貴一さんが目の前にある紅くなった俺の乳首に噛みつき、軽く引いた。 「あっ、やあぁ」  俺はまた白濁を放つ。  貴一さんの黒々とした下生えは俺の放ったものと、後口から漏れ出たものでもうびしょびしょだった。  貴一さんがリズミカルに腰を打ちつける度、ぐちゅぐちゅりとあられもない水音が響き、鼓膜からも犯されているような気分だった。 「瑞樹、イクから」  そう言うと貴一さんは腰つきを激しいものに変えた。 「あっ、あっ、やっ、イイ。俺も、あっ、イク」 「くっ」  体内の貴一さんが一回り大きくなり、俺をぎゅっと抱き寄せると唇を貪った。

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