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第37話
つ と頬を流れる涙に後押しされるように、指で広げた個所を宛がう。
「ふ、ぅ ぅ……っ 」
弄ったところでせいぜい指を使う程度で、それ以上のモノなんて怖くて使ったことはなかった。
そこに自分の体以外のモノが触れるのが初めてで……
ナカから垂れたローションの力を借りても、入る気配はない。
「ぅ すみませ っ」
パタパタと涙が部長の腹の上に落ちた時、大きな手が肩を掴んであっと言う間にシーツに押し倒された。
「あっ!」
「何をしている」
ナニ……なんて、他に何もない。
ソレを入れようとしているだけだ。
「すみ ません。うま、くできなくて 」
ひっ ひっ としゃくりあげる合間にする謝罪が情けなくて……
「慣れてないのか」
ぷちゅりと入り口が擦れる水音がして、反射的に逃げを打った腰を熱い手が鷲掴む。
「やっ すみま……っ」
圧し掛かる体重に体が勝手に逃げる。
うまい力の逃し方も分からないままに、部長の体に縋りついた。
「すみ っう…… ぁ 」
「きつい」
ぐぐっと押し込まれる熱から逃げようがなくて、拓かれる恐怖に全身が固まる。
息も吸えない。
涙は止まらない。
割られる破瓜の痛みは想像以上で……
「こんなきついものなのか」
平坦な声音に小さく首を振ってでしか答えられない。
「 」
「 わか んない 」
「経験がなかったのか」
ぐいっと前髪を払われて、拍子に落ちた涙がこめかみを伝った。
その感触に震えながら頷くと、部長の呼吸が一瞬乱れたような気がした。
「あと半分だ。我慢しろ」
「ひっ 」
腹の中は一杯で、これ以上入る余地はない。
なのにこれで半分と言われ、ただただ逃げるためにシーツを掴む。
なのにそれも封じられ……
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