67 / 105
第66話
「あ ぁ、そんなっ 」
隔てるもののない初めての感触に、全身にやけどをした時のような鳥肌が立つ。
熱くてたまらないのに冷えて体中が粟立った。
温かさの感じ方が違う、
ぬめり方が違う、
体温が、近い。
尻の肉を左右に広げられて押し進められれば、部長より小さなオレの体はつま先立ちになってしまい、最奥までの侵入をあっさりと許してしまった。
腹の奥が震える。
小さな痙攣が伝わったように、指先が壁を震えて落ちていく。
「や、ぁ っン 」
無理矢理のはずなのに、押し入ってきた牡に喜んでいるのは、熱い下半身を見ればわかる。
こんな酷い抱き方をされても反応してしまうくらいオレは、部長のことを……
「 んっ! ふ、か 」
揺さぶられて視界が回る。
辛うじて壁に凭れかかっているが、ともすれば床に崩れ落ちそうだ。
「深 っ ぃ、やぁ 」
ついていけない激しさで呼吸もままならず、なんとか首を振ると涙がぽとぽとと足元に落ちる。
咄嗟に拭おうとした腕を取られ一際乱暴に奥を突かれた瞬間、腹の奥に熱いモノが触れた。
「 ────ぁ あ」
ゾクゾクと鳥肌が立つ。
初めて感じるその感触に、オレ自身も達していたらしい。涙の痕の横に垂れる白濁液に息を詰めた。
「ナカだけでイクのか」
囁き声は掠れて、
「 こん、な。ひど ……っ!?」
ぐぃっと右足を持ち上げられ、その勢いのまま体を引っ張られた。
縋りついていた壁の反対側には申し訳程度の姿見があり……
「酷い? 見ろ」
「 っ」
ナカの部長を体が勝手に締め付けたのが分かった。
鏡の中に映るオレは、なんてだらしない顔をしているのか……
欲情で濁った目と、だらんと開いた唇、赤い顔はどれだけ興奮しているのは知らせるには十分だった。
右足を持つ手に力が籠められると皮膚が引っ張られ、こぽりとナカに出されたモノが溢れて太腿に垂れ始める。
誰が、誰を犯して、何をされているのか、
知らしめるには効果的で。
「 ぅっ 」
激しく打つ脈が体中の血を急がせる。
ともだちにシェアしよう!