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第87話

 シーツに爪を立てるも掴むことはできなくて、焦れる感触に腰を振って擦り付けるも、ソレは奥まで犯してはくれなかった。  背後に手を回しても届かなくて、涙が零れそうになった目を閉じて首を振る。 「  おね、が  ソコばっかり、は い、や  」 「ソコはドコで、ナニが欲しいんだ?」  嗚咽で息が止まりそうだった。  部長は今、何を言えと? 「あっ 」  仰向けに返され、その拍子に外れてしまったソレを物欲しそうについ目で追うと、部長が意地の悪そうに笑みを唇の端に乗せた。  冷ややかにこちらを見下ろす顔には、行動で示せと書いてあるようで。  上がる息を押さえながら、眼前で足を開いた。  立ち上がって涎を垂らすソコも、先程弄られただけでぐずぐずになっている最奥も、指で開いて全てを視線に晒す。 「  ふっ  ぅ」  しゃくり上げる振動で先端から溢れた雫が伝う。  体中が真っ赤になって、恥ずかしさに目を固く閉じるが、部長はそれで許してはくれない。 「ココ  入り口、じゃ なくて、奥  ナカ、の方  」  ぱたぱたと涙がシーツを打つ音が聞こえても、やはり「良し」とは言ってもらえず…… 「 ぶ、ちょ   の、」      羞恥に言葉が途切れて、震えでカチカチと歯が鳴った。  体の熱と、恥ずかしさと、出来なくて放り出されるんじゃないかと言う恐ろしさに、身がすくんでしまう。 「すみ ま   」  顎を掴まれて、そろりと目を開けるがそちらに視線を向けることができない。  部長の促す力に沿いながらも、視線は壁から動いてくれなかった。 「こちらを見ろ」  言葉ではっきりと言われてしまうともう逃げられなくて。  そろりと見上げた部長の唇が落ちてきて、  重なって啄まれて、  貪られて翻弄されて、    理性を手放して、部長に犯される熱に嬌声を上げて、ただただ喜ぶ自分がいた。

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