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第3話
「んーみんなに囲まれて恵兎がにこにこしてたら可愛いだろうなって思って」
「や、だから……っ」
普段から容姿や服装を褒められることはある。特にえっちの最中なんか、普段口数の少ないリョウさんからは考えられないほど『かわいい』とか『エロい』とか言ってくれるけど、今の『かわいい』は絶対違う。そういうのとは全然違う……
「そもそも……リョウさんと付き合ってもないよね?」
実情はさておき、リョウさんからしたら僕はどうしようもないビッチで、男を切らしたら生きていけない人間のはずだ。それは必ずしも嘘じゃなくて、必ずしも本当ではない。
それに、リョウさんにとっても僕は気軽に寝られる相手のうちのひとり、だ。面倒な手続きとか踏まなくてもいいし、身体の相性は悪くない。なにより妊娠する心配がないし、多少乱暴なプレイだって楽しめる。
そんな関係だったはずだ。
「付き合って無くても結婚は出来るだろ?」
「出来ないし、しない! そりゃ衝動的に結婚しちゃう人たちだっているだろうけど、普通はちゃんと付き合って、相手を見極めて、この人ならって人と……」
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