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第4話
男しか好きにならない僕は夢見ることすらないけれど、世間一般ではそういう認識のはずだ。
「なら問題ないな。付き合おうなんてわざわざ言わなかったが、三年以上かけて十分見極めたんだ」
「な、に言って……」
それじゃあまるで、『この人なら』って、リョウさんが僕のことを思ってくれたみたいだ。いや……みたいじゃなくて、そう、なのか?
「つまり、付き合ってようがなかろうがプロポーズしてOK貰ったらいいって話だろ? 結婚してくれ」
何気ない言い方だった。
特別感情を込めた様子もなく、その言葉を言うのに衒いも何も感じていなかった。
なのにずし、とかなりの衝撃でもって僕の内側に入り込む。一気に体温が上がって、蕩けだした体が崩れ落ちそうになる。
繋いでいた手から力が抜けてかくんと前のめりに折れた身体をリョウさんが支えてくれた。そのまま身体を起こしたリョウさんの胸に身を預ける。
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