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第9話
きっかけは顔とスタイルが好みだったこと。バイト先を知って同じ店で働き始め、酒の勢いに任せて関係を持った。
そのころには口数は少ないけれど周りをよく見ていて気配り上手なところとか、懐に入れたら優しすぎるくらい優しいことを知って、ハマった。
同時に遊び相手にはなれても本気の相手になれないことも知った。
何度も、何度も、何度も諦めた恋だった。
「もう一生分遊んだだろ。俺が最上だ……最上であり続ける」
「う……ん」
どうやったってリョウさん以上に好きになる相手も、相性のいい相手もいない。リョウさんのテリトリーに閉じ込められるなら逃げたりしない。
「なあ、俺は本気の相手には嫉妬深いぞ」
「ん……」
「冗談でも他の男に触らせるな。頭のてっぺんからつま先まで全部俺のものだ」
絶対君主制の王のように傲慢な要求をされることが嬉しい。僕の丸ごとを欲しいと言われてようやくリョウさんの愛を実感する。
キュンとした胸に呼応するようにして後孔もきゅうと締まった。途端にまた身体が疼き始める。
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