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職員専用につくられた、喫煙所の向かい側にある壁に、もたれかかったその姿。
決して間違えることなどない。
パッとその後ろ姿を一目見てわかった。
先生だ。
話しかけようと近づくと、
「はい、何時に行けば?」
どうやら誰かと電話をしているようで。
弾んだ声で合間合間に笑いつつ受け答えする先生。
とても楽しそうだ。
大人しく電話が終わるのを待つ。
「報告書速攻で終わらせます」
電話の相手は誰だろうか。上司??
早く先生と話したいのに。
電話が終わったのかくるりとこちらへ振り向き、向かってくる先生。心なし、柔らかな表情。
喫煙所の影に隠れては待った。
「先生」
「っ!!」
背後から近づき耳元で囁くと、あからさまにビクリと驚き飛び跳ねた。びっくりさせるつもりではあったが、ここまで驚くとは…。
「驚かすなっ!」
俺が囁いた方の耳を両手で抑えては、
真っ赤な顔でこちらに振り向いた先生。
なんて可愛い。
「ごめんね」
反応が可愛すぎて、思わず肩をすぼめて、とぼけてしまった。
こんなにも近くで先生を見るのは何年ぶりだろうか。2人っきりで話すのも久しぶり過ぎて緊張する。
先生が髪が短くなってわかったこと。
右眉尻にホクロが一つある。
目元の印象的なホクロだけでなくそこにも一つあったのかと新しい発見。顔が良く見えるからか余計に先生の整った顔の良さが全面に出てる。短髪ナイス。
「ここで働いている時は僕が先輩。敬語を使うように」
はぁーっとため息をついて、小さい子供を叱るようにそう言われてしまった。
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