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とても静かだ。
少し張り詰めた空気の中理解する。
ああ。なんだ二人きりじゃないか。
「…せんせー」
「…っ」
誰もいない中、寝てる俺の頭を撫でてた先生。
どういう事かわかっててやってるの。それ。
だんだんと意識がハッキリしてきて、どんな顔をしているのか見てみたくなった。誘ってるって思われても仕方ないよね。
「俺の事癒してよ」
そっと机へ突っ伏していた体を起こし、その場に立ち上がる。それを見て慌てて逃れようとする手を改めてきつく握り直すと、すっかり大人しくなった。
体を引き寄せて、顔を近づけても、そっぽを向いてこちらを見ようとせず…手を握る力を強めれば、やっと歪めた顔がこちらを向く。
「…夜野いたい」
髪が短い分先生の表情がよく見えた。
眉をひそめ、目には涙が溜まりだしていて…
その顔がたまらなく愛おしくて、また胸が苦しくなった。
「そういう顔、京さんにも見せてるの?」
はっきり言って余裕などもうなかった。
「なっ、に言って…」
耳や顔がほんのりと赤い。
俺が怖いのか、途中で言葉を詰まらせ黙る。
唇をきつく噛んでいて少し血が滲んでた
「血…出てるよ」
親指でそっと唇を撫でて、その血を拭うと
ゆっくり優しく自分の唇を重ねた。
「ん…」
俺の唇が触れるまでに充分に時間があったのにも関わらず、逃げなかったのも、抵抗しなかったのも先生だよ。
きつく閉じられた唇。
「口開けてよ先生」
唇を舐め、割って入れば、弱々しく侵入を許した。
…先生が好きだよ。
こういうこともしたいと思っちゃうんだ。
昔と違って可愛らしいだけの恋愛や可愛らしいキスじゃ全然満足出来ないんだよ。
「んっ、…はぁ」
逃げる舌を追い絡みつき、今度は俺の舌を口の外へと押し戻そうと動く先生のそれを捕らえては、深くねっとりと自分の欲を押し付けるように離さない。
「んん…んっ、」
呼吸を奪うように何度も角度を変えて、
噛み付くようなキスをした。
俺の胸を押す返す手には全く力が入っていなくて、
もっと抵抗しなよとどんどん火がつく。
あー止まんないかも。どうしよ
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