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第3話
車に乗り込み到着したのは遊園地。
「さぁ、着いたぞ!」
「あの、この格好で遊園地ですか?」
「ああ〜っ、そのもう夕方が近いし気にしなくて平気じゃないか?」
「夕方は関係ないと思いますよ。スーツ着た男2人が遊園地って場違いですよ。」
「確かに、でもさ本人が気にするほど誰も見てないと思うよ。じゃあ、行くぞ!」
半ば強引に車から降ろされて良い歳をした男2人がスーツ姿で遊園地に来れば何人かは振り返り僕達2人を見ている。
そんなことも気にせず藤宮さんはジェットコースターだの絶叫系を制覇する勢いで乗りまくっている。
僕は絶叫系とか平気だけど藤宮さんは乗るごとに顔色が悪くなり始めていた。
「あそこのベンチで少し休みませんか?僕喉乾いたので何か買って来ます。何が良いですか?」
「すまない。冷たいのなら何でもいい。好き嫌いはない。」
「じゃあ、炭酸飲料にしますね。」
「ありがとう綾。」
青い顔をしているのに僕を気遣って無理して笑顔を作る藤宮さん。
一瞬だけど胸がザワッとした。
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