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第5話

「やっぱり夜景は綺麗だ。」 向かい合わせで座って夜景が見えてくる高さまで来ると外を見て藤宮さんは微笑んで言った。 僕はそんな藤宮さんを見つめていた。 よく見ると整った顔立ちをしていて笑うとフワッと優しい感じになる。 女性が好きそうな容姿だ。 「綾は楽しかったか?」 「へっ?うん。」 無邪気に笑う顔がとても2歳年上の男性とは思えなかった。 まだ学生の青年と言った感じだ。 「俺も28歳にして無心で遊園地を楽しめた。ありがとうな綾。」 「僕も楽しめました。ありがとうございます。」 「うん。」 スッと伸びて来た手が僕の頬に触れる。 顔が熱くなり見つめられた藤宮さんから目が離せなくなりまるで金縛りにでもあっているようだった。

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