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第7話
頬にある手が僕の腕を掴むとグイッと引っ張り乗っていたゴンドラがグラッと揺れた。
揺れにも驚いていたが僕は藤宮さんに倒れ込むような形で力強く抱きしめられていた。
「綾だけだから俺を好きになってくれないか?」
「でも・・・。」
「ごめん。」
柔らかくて温かな感触が僕の唇に伝わった時に身体から力が抜けて行くのがわかった。
好きだと言われ好きになってくれと言われて嬉しくて泣きそうになる。
キスをされても嫌じゃなくて凄く安心ができてあの人には芽生えなかった気持ちが溢れ出てくる。
僕は藤宮さんが好きだ。
そう思うと僕は藤宮さんの首に腕を回して抱き付いていた。
何度も角度を変えて舌を絡ませて激しく貪るようなキスをしたかと思えば啄むような柔らかなキスをしてくれる。
涙が出るほど幸せな気持ちになる。
もう少し藤宮さんに触れていたかったけれどゴンドラが地上へと近付いていた。
優しく僕の頬にキスをする藤宮さん。
「隣に座っていて綾。」
「うん。」
僕は藤宮さんの隣に座りなおすと外の景色を眺めていた。
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