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第9話

あの日から僕の世界は色を取り戻した。 2人で見る景色は全てが鮮やかで本当に綺麗に見えている。 「早くしないと結婚式に遅れるよ。忠さん。」 「分かってるけど綾、忘れ物した。」 今日、僕と忠さんは教会で2人だけの結婚式を挙げる。 「えっ?何を忘れたの?」 チュッ! 「忘れ物。」 軽く触れるだけのキスをして悪戯に笑う忠さん。 そんな忠さんの胸を軽く叩くと今度はグイッと腰を抱き寄せられて深い深いキスをしてくれる。 身体が熱くなり忠さんの事だけしか考えられなくなる。 忠さん、好きです。 僕は忠さんだけを愛しています。 「愛してるよ。綾。」 忠さんに甘く耳元で囁かれると身体の力が抜けてしまい立っていられなくなる。 「そんな顔したら押し倒したくなる。」 「忠さん・・・。」 「式が終わってから可愛がるから覚悟しとけよ綾。」 そう言ってから照れて顔を真っ赤にする忠さん。 強引でだけどたまに照れて顔を真っ赤にする忠さんを僕は世界中の誰よりも愛しています。

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