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 準備をするからと、佐藤を置いて風呂場へと向かう、一人で使うには広すぎる浴室に入ると、湯船に手をついてどっと溜め息を吐いた。 「ハズレ引いたぁ……」  佐藤のハジメテの男になると言うのはやぶさかではなかったが、佐藤の態度は人とセックスしようと言う態度ではなかった。まるで今から科学の実験でもする様な生真面目さで、オレにまずどうするか尋ねてきた。  男とした事がないなら仕方ないかもしれないが、予備知識くらい礼儀としてつけておくものだろう。  シャワーを捻り、体の汗を流す。  オレとしては、ちょっと汗臭いのが好みだったりするんだけどな…  ボディーソープをたっぷり手に取り泡立てる。体を洗いながら手を割れ目の奥へと持って行くと、意思とは関係なくそこがピクリと反応した。  ゆっくりと指を入れて行く、昨日も使ったから固いと言う事もなかったが、何度やっても最初は緊張する。  皺を伸ばすように指を動かすと、じんわりと痺れるような感覚が腰を駆け上がり、期待を表すかのように泡を纏った牡芯が固さを持ち始めた。 「ん…っ」  何の知識もないと言っていたので、無理にされて傷がつかない様に念入りに解して行く。 「…はぁ……」  深く息を吐いて指を二本に増やす。  シャワー音に紛れて聞こえ始めたぬちゃぬちゃと言う音に、一人体を熱くする。壁に手を突いて片足を湯船に掛け、体を支えながらもう片方の手で蕾を犯す。  深く指を指し込み、前立腺を捜して指を曲げる。 「…ぁああっ!!」  そのしこりを指で軽く引っかくと、問答無用の快感が背筋に走った。 「ぅ…」  カタン…と控えめな音を立て、風呂場の扉が開かれる。 「声が聞こえたが……っ」  息を吐きながら佐藤を見ると、あられもない格好をして尻を弄るオレを見て戸惑っていた。 

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