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 胸に這わされた舌にオレが嬌声を零すと、佐藤は毎度の真面目顔を少しだけ崩して嬉しそうに微笑んだ。 「気持ちいいんだな?」 「…なんでそう、毎回聞くかな。萎える」 「あっ…すまない」  途端しゅんとして、佐藤は再び赤い突起と格闘し始める。 「ぁ…んん……」  最初の拙さが嘘のように舌を絡めてくる佐藤は、こちらが反応を見せるたびに嬉しそうにこちらの様子を伺い、一々反応を確認して来る。それはくすぐったかったが、最中にそうやって聞かれた事なんて今までにあったか、思い出そうとした。  シャワーを浴びてぐったりとソファに沈み込むと、佐藤が頼んでいた食事をテーブルへと運んで来る。いい匂いに腹の虫がぐう…と鳴り、時間を確認すると昼はとっくに過ぎていた。 「メシぃー腹減ったぁー」 「…あ…あの、ローブの前を…もう少し直さないか?」 「あ?」  ホントは真っ裸の方が良かったんだけど、今日会ったばかりの奴の前だったから一応ローブを羽織っていた。 「見苦しくて悪かったな」  まぁ…ヤる事ヤったら…こんなもんか。 「いや。その、…またしたくなるから、隠してくれないか?」  きょとんと見上げると、突っ立ったまま頬を赤くする佐藤。そんな佐藤をオレは可愛いと思い始めていた。  クリームスパを頬張り、女と男ではどっちがいいか尋ねてみる。 「…君の方がいいと思う」 「あんたもゲイだな。ようこそ、ゲイの世界へ」  イマイチ足りない量にもう一品頼もうかと迷っていると、佐藤は溜め息を吐いて頭を抱え込んだ。  オレはそうは思わない方だが、おっさんの年で自覚すると落ち込むんだろうな。 「まいったな…」 「なんか問題あるの?」  まぁ問題は山積みだろうな。  小さく頷き、苦笑をこちらに向けた佐藤は、目の前のピラフをこちらに押しやった。 「食べていいよ。足りないんだろ?」 「いいの?マジで?」  佐藤はその問題を話しては来なかった。もっとも、話されたとしても、行きずりの相手にそこまで重い話をされても困るだけだが… 「ああ、忘れないうちにこれを返しておくよ」  テーブルの上に置かれた華奢なリングに、思わず顔をしかめる。  せっかく忘れていい気分でいたと言うのに、現実を突きつけられたような気がしてイラっとした。

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