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 勢いよく開けられたドアに面食らった佐藤が、オレの姿を見て表情を険しくさせた。  …やっぱり汚いか。  夏場に汗だくになりながらも、2日も風呂に入れなかった男なんて、汚くてしょうがないとオレ自身思う。 「なんて格好で出てくるんだ…俺じゃなかったら、どうするんだ?」  いきなり言われ、むっと唇を突き出す。 「どうもしねぇよ」 「…来たのが他の奴だったら、乱暴されるかもしれないだろ!?」  その真顔に、ぷっと吹き出す。  いきなり来た人間が、臭いそうな野郎相手に欲情なんかする筈がない。  こいつ、馬鹿だ! 「まぁ、入れば」 「ああ……痩せたな」  部屋へ入れるのは初めてで、気恥ずかしさを感じる。 「まーな。食欲なかったし」 「一応買ってきた」  佐藤が手に持った袋を差し出してくる。  レトルトのお粥に何種類かの果物、そして立派な白ネギが不釣合いに堂々と頭を出していた。  …何故、ネギ? 「熱は?」 「え?あ、37度後半かなぁ」  まぁありがたく、冷蔵庫へと収めるべく冷蔵庫へと向かう。 「なんで連絡してこなかった?」 「佐藤は仕事で忙しいだろ?小さな子供じゃないんだし…」  中身を分けて入れようとすると、佐藤がそれを替わってくれる。 「それに、悪いだろ?心配させたら」  ばたん…と乱暴に冷蔵庫を閉めた佐藤が、眉間に皺を寄せた険しい表情で立ち上がる。 「…」 「な、なんだよ。一応気ぃ遣ってんだよ…」  険悪な雰囲気に、一歩後ろへ下がろうとすると手首を掴まれ、普段は佐藤の手を温かく感じるのに、今日はひんやりしていると思った。  まだ、熱が下がってないようだ… 「…いっ」 「指輪…どうしたの?」  掴まれた手を見ていた目が、不機嫌そうに細められ、オレは初めて佐藤が怖いと感じた。 「布団の…」  外して枕元に置いていたのを思い出す。  布団と聞いた佐藤が、窓際に敷いてある布団へとオレを引っ張って行く。狭い部屋の中、せいぜい数歩の距離が長く感じられ、オレは何を言われるのかと身をすくませた。

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