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布団に座らされ、枕元に置いてあった指輪を嵌められる。
「…できるなら……もう外さないでくれ」
「……ごめん。怒ってる?」
「怒ってる」
初めての事に戸惑って佐藤の顔を見ると、哀しそうな顔でこちらを見返してくる。
「ケイトが俺を頼ってくれなかった事に」
「…悪かったよ」
謝って、その肩に頭を寄せる。
久し振りに香る佐藤の汗の臭いに、体の奥がじん…と反応した。
それを知ってか知らずか、顎を掴んで上を向かされると、佐藤が優しく口付けてくる。しっとりとした久し振りの感触に、体調の事を忘れてネットリと舌を絡ませた。
指先が裸だった上半身をなぞりながら下がり、腰骨の辺りを撫で上げる。
「ん……風邪…うつるよ?」
「うつらない」
その妙な自信の出所を知りたかったが、胸の突起を弄られて口を閉ざす。
「ん…ホテル行こっか」
オンボロアパートの定番として、非常に壁の薄いこの部屋で事に及ぶと、下手をすればアパート中にギシアンを聞かれかねない。
それにエアコンもないし、風呂に入りたかった。
「いやだ」
佐藤の手が下着の中に入り込み、すでに期待で立ち上がってる牡芯をしごきだす。
「ふ…ぁん…っダメだって、ここ壁が…」
「我慢できない」
切羽詰まったようなその声も至極真面目で、オレはやっぱり吹き出しながら布団へと転がる。
「暑いのと汗臭いのは我慢しろよ?」
そう言って覆い被さる佐藤を抱き締めた。
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