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 黒いシックなシーツのベッドに倒れ込み、ぐるぐる回る視界が楽しくて笑い出すと、水を持ってきた店長に呆れられた。 「何笑ってんの」 「世の中たのし~…くるくる~~」 「はいはい。ほら、水飲んで」  口許に当てられたコップから一気に水を飲み、顎から喉にかけて溢れた滴を拭う。拭いきれなかった水滴を、店長の指が掬い取った。 「もー。店員には手を出さないってモットー破っちゃったよ」 「んー?黙ってればいいじゃん」 「店の皆見てたよ、覚えてないなー?」 「覚えてるよ、キスくらいならだいじょーぶだって」  けらけらと笑ってまたベッドに倒れ込むと、へらへらと笑った店長が覗き込んできた。 「ダメだよ。これから手を出すんだから」 「…マジッスか?」 「マジッスよ」  回る視界の中の店長に手を伸ばす。  サーフィンが趣味なだけに日に焼けた頬を撫でる。ぱさついた髪を弄り、最後にその唇に指を這わせた。  前から思っていたけれど、店長の唇もオレ好みで、触れると柔らかで気持ちいい。 「……久し振りなんで、お手柔らかにお願いします」  そう言うと、にっこり笑った店長がオレの上に覆い被さってきた。

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