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「こう言うのってさ、普通旦那さんになる人と来るもんじゃないの?」
目の前でくるりと回って見せる姉にそう言う。細身な為、マーメイドスタイルのドレスが良く似合っていた。
傍に立ってる店員も、満足そうに頷いている。
「来れたら来るって行ってたけど…お仕事忙しいらしいし。式の前に花嫁姿見るのは良くないって言うじゃない?」
「それ、どこのジンクス?さっきのAラインのより今の方がいいよ」
「セクシー過ぎない?」
「過ぎない」
次々とウェディングドレスを着替える姉を携帯で撮る。
我が姉ながら、そうやってポーズを決めているとモデルのように見えてくる…のは、本人が恥ずかしがるので黙っておく。
「見せて。んー…やっぱり圭吾と私って似てるね」
「はぁ?似てないよ」
「式、逃げ出したくなったら身代わり決定ね」
その言葉に、自然と眉間に皺が寄っていたらしい。オレの顔を見た姉が困ったような顔をする。
「冗談よ」
「…うん…」
「圭吾がいいって言ってくれたドレスにするわ。疲れたでしょ、お茶しに行きましょ」
肩を叩かれ、オレはなんとか作り上げた笑顔を姉に向けた。
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