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 ぱちりと目を開け、自室でない事にまず戸惑ったけれど、独特の雰囲気のその場所の名前をすぐに言う事ができた。 「どうして…病院なんかにいるんだ?」  ぽかんとして辺りを見回す。  目を開ける寸前の記憶は、会社で案件を話し合っている最中だった。何故次の瞬間ここにいるのかが分からず、左手に大きな嵌め込み式の窓を見やる。  暗い星空に、街の明かりに掻き消されそうな頼りない星の光が見えた。  体のあちこちがぎしぎしと痛み、体を起そうとすると頭が酷く痛んだ。ネットが被せられている頭を押さえて呻くと、部屋の隅に置かれている簡易ベッドから小さな人影が起き上がる。 「秋良?」  いつも穏やかな養母の声に固さが含まれている事に気付いた時には、母はこちらへと駆け寄っていた。 「ああ…よかった…」  お嬢様育ちのせいか、いつもどこかおっとりとしたような母が、珍しく慌てているように見える。 「母さん?オレ、どうしてこんな所にいるんですか?」 「事故に遭ったの…覚えてない?っ…先生呼んでくるから、ちょっと待っててね」  そう言って飛び出して行く母の後姿を見ながら、ナースコールを使えばいいのに…とぼんやりと思った。

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