98 / 312

21

「すみませんねぇ…飲ませ過ぎちゃったみたいで…」  ぼんやりとした意識の中、そうやって謝る声と「大丈夫です」と言う声が聞こえた。うっすらと目を開けて顔のすぐ傍の白い顔を見る。  はっきりとした二重を伏せ目がちにすると、頬に睫毛の影が落ちる。  最初に見た時も、そんな風に伏せ目がちにしていた…  髪は、もっと明るい茶色で… 「…どうして…?」 「え?」  柔らかで明るいあの髪は、とても触り心地が良かった… 「また、髪を切って…茶色い髪にしないのか?」 「なんか酔っ払ってよく分かってないみたいですね」  誠介の声に首を振ろうとしてよろめいた。 「寝室は?もう今日はこのまま寝かせてしまった方がいいですね」  引きずられる不快感に、腕を振り払おうとしたが力が入らない。ぐいぐいと引っ張る力に抗いきれず、仕方なくベッドと思しき場所に倒れ込んだ。 「秋良さん?大丈夫?」  心配げに覗き込む顔を両手で包み込む。    滑らかな曲線の頬に、はっきりとした二重、綺麗な形に微笑む唇…  ああ、ケイトだ。  嬉しさの込み上げる気持ちを表すように、オレは包み込んだ顔を引き寄せて深く口付けた。

ともだちにシェアしよう!