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自然と、耳元から滑らかな曲線を描く首元に視線が行く。
薄いその皮膚に触れると、さっと朱が帯びるのを知っている。
そう……知っている。
「お酒よりお茶の方がいいでしょ」
とん、と目の前にグラスを置かれて我に返る。
「そうだね…この前はせっかく来てくれたのに、酔い潰れてしまって申し訳ない」
ペコリと頭を下げると、苦笑を返された。
「気にしないで下さいよ」
カクテル用の道具らしき物の手入れをしながら目の前に立つ彼を見る。
銀色のシェイカーを弄るその手に銀色の指輪が光るのが見え、それがやはり自分とのペアリングだと言う事を確信した瞬間、胸に小さな喜びが灯った。
ケイトが出してくれた烏龍茶に口をつけながら、手馴れた風に道具を触るその手に見入っていると、指輪を嵌めたほっそりとした手に怪我の跡が見える。
怪我。
せっかく綺麗な手をしているのに…と残念に思っていると、道具を見つめていた彼がこちらを見た。
黙りこくっていた事に気づく。
何か話題を…と考えたが、彼と話せそうな事柄はそう多くはない。
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