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 涙が零れる度に、シーツに乱暴に擦り付けてそれを拭う。  ぐぢゅ… 「あぁっ…ん……ゃ…」  指を引き抜くと、物欲しそうにソコがひくりひくりと収縮を繰り返すのを感じる。  指なんかじゃない、もっといいモノが欲しいと体が訴える。 「………ぅ…ふ…………ちっ…くしょう…」  ポロポロと溢れ出す涙を拭い、だらしなく涎を垂らす自身を乱暴に扱き上げて行く。 「っ、っ…ぅ……ぁぅっ…!!」  小さく呻き、手の中に白濁の液を吐き出して肩で息を吐くと、どうしようもない寂しさと虚しさに襲われて、圭吾はぐったりとベッドに沈み込んだ。 「ぅ……アキヨシ…アキヨシ!アキヨシっ!!」  叫び、自らの出した体液で滑る手で拳を作って壁を殴り付ける。  どんっ!  途端、微かに向こうから聞こえていたテレビの音が小さくなり、圭吾は思わずぷっ…と吹き出した。 「っ…く…あはは…っ!!」  枕に顔を埋め、ヒクリと肩を震わせて笑う。  何が面白いと言うわけでもなかったが、妙に笑いのツボをついた。  くつくつ…と噛み殺した笑いが収まる頃、ぼんやりと液体が乾いてこびりついた掌を見詰める。 「…アキヨシ……」  身も心も隙間なくぴったりと塞いでくれる彼の名を呼び、体につけられた秋良のマーキングに指を這わせた。 「……っ…ぇ…ないで……」  止まっていたはずの涙が、再び頬を伝い落ちていく。 「消えないで…」  呪文の様に繰り返しながら、圭吾は肩を震わせて静かに咽び泣いた。

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