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 どこか、結婚式のワンシーンに似たそのやりとりに、小さな苦笑が漏れる。 「アキヨシ…」  一拍、照れてから口を開く。 「愛してる」  肉厚な唇が柔らかな笑みの形に歪む。 「うん、俺も愛してる」  指輪を嵌めた大きな掌が圭吾の頬を包んだ。 「俺は一生、圭吾の事を愛し続けます」  その言葉にきゅうっと胸が絞られる。 「アキヨシ…愛してる」  もう一度、深い感慨を込めて圭吾はそう返事を返した。

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