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 肩を落とし、やつれ切ったその状態に同情に近い物を感じたが、恭司は気付かれないように緩く首を横に振った。 「俺も知りません」 「………」 「ただ、荷物を送ってくれ…と連絡が来ましたよ」 「っ!?そ…」  飛び上がり、その住所を教えろと言い出そうとした秋良に向かって掌を突き出す。 「荷物の受け取り代行とかなんとか言う会社で……圭吾の事は教えてもらえませんでした」 「………」  一瞬射しかけた光を握り潰されて秋良は再び項垂れた。 「そう…か…」  かこん…とまたグラスの中の氷が音を立てる。 「………あの…っ……もし、連絡が来たら…」 「教えません」  はっきりと言われたその言葉にかっとなって秋良の腕が伸びる。  ネクタイの結ばれた恭司の胸元を鷲掴んで自分の方へと引き寄せた。 「なんっ…どうし……」  手を払おうともせず、恭司は小さく首振る。 「理由は…分かるでしょう」  力を入れすぎた拳が震え、噛み締めた唇がじんわりと血の味が流れ出す。  圭吾が恭司にどこまで話したかは秋良にはわかりはしなかったけれど、その耐えるような恭司の態度が物語る。  恭司の心がまだ誰にあるか、そしてその誰かの願いが何であるか…

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