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『アキヨシ母、現る!!』
この話をしている間だけで、秋良の両親はぐっと年老いてしまったように見えた。
父親は首を振りながら無言で立ち上って部屋を出て行く。
その後を秋良が追いかけて行った。
「…」
「…」
秋良の母と二人残され、圭吾は申し訳なさで一杯のいたたまれなさで項垂れる。
「秋良が…」
その言葉が自身に向かって言われた言葉だと分かるのに時間がかかり、圭吾は顔を上げる機会を逃した。
「秋良が事故に遭った時の同乗者って……圭吾さんの事だったの?」
違うと言おうかどうしようか迷い、今更嘘をついてどうするんだと開き直って頷いて見せた。
「…はい」
「……そう」
俯いた視界の中、握り締めた手に女性の手が触れた。
すべすべと言う風ではなかったけれど、柔らかで温かさのあるそれが圭吾の左手を包み込んだ。
「お礼を…言わせて」
「は?」
訳が分からずに顔を上げると、思いの他近くにいて圭吾は戸惑った。
「礼?」
「……あの事故の時、救急隊の方が教えて下さったの…」
秋良が同乗者を庇っていた事、
そして…
同乗者の左手が秋良の頭を抱え込んでいたために命拾いした…と。
「…この手が、…あの子を守ってくれたのね……」
ぽとん…と温かな雫が左手に落ちる。
「………本当に…本当に……、ありがとう」
はい。左手の傷の真相?です(^_^;)
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