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『キャンプ場では止めましょう』
ジェルをたっぷりとった指が首筋にかかる。
ぬめりを帯びたそれは何かを誘うように下へと下り、冷たい感触に立ち上がりかけた赤い粒を掠めた。
「ひゃっ…」
「ああ、すまない。でも、ここを刺されたら大変だろ?」
生真面目な顔にそれが冗談なのかそうでないのか見分けられず、圭吾は唇を噛み締めてその感触を堪える。
くちゅ…くちゅ…と赤く色づいた先端が指の間で捏ねられるたびに、厭らしい音が耳を打つ。
「ふ…ちょ……ストップ…っんんっ!!」
にゅるりとしたぬめりを借りながら指の腹が乳首を押しつぶす度に、堪えきれなかった圭吾の嬌声が上がる。
「あ…は……だ…だめ…ここ………っ」
擦り切れかけた理性を繋いで押し返すも、秋良はその勢いで圭吾のスラックスに手を掛けた。
「駄目じゃない。ちゃんとしとかないと、変な虫に刺されて大変だから。な?ここにもちゃんと塗ろう」
やはり秋良の顔は真顔のままで…
圭吾は荒くなる息とぐるぐる回る思考の中でそうなのか?と思い始める。
「ほら…」
「はっ…ぁ……あぁん…っ」
ずらされたスラックスの中にジェルをまとわりつかせた指が入り込む。
「あああああっ!!」
いつも熱ばかりを感じていたソコに触れてきた冷たさに思わず声を上げた。
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