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『21時→6時で寝てください』  ふ…と泣き声が聞こえた気がして重い瞼を開けようとした。  けれど開かず、小夜子は細い指で目を何度か擦った。そうしている間にも泣き声は次第に大きくなってきており… 「ごめん、ごめんね」  謝りながら慌ててぐずり始めた赤ん坊を抱き上げた。  ふわりとした重み、  大人のものより幾分高い体温、  泣き声も、癪に触るものではなく、か弱い泣き方だった。  パジャマの前を開け、そっと乳首を含ませると、赤ん坊は一瞬驚いたようにぴくりとし、こちらが驚く程の力強さで食らいつく。 「ごめんね、待たせたね、…美味しい?」  んく…んく…と返事の代わりに勢いよく喉を鳴らす音がする。  その音を聴きながら、小夜子は馴れない育児からくる睡眠不足に抗いきれず、うと…と目を閉じた。

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