3 / 7

第3話 実験開始

敵国のまだ実態も分かっていない日本人科学者などに捕らえられ、No.0としか呼ばれてこなかった自身に対し急にレイなどという名前をつけてモルモットにすると宣言される。こんな事があってたまるかともがき、叫ぼうとするが、それも拘束具とボールギャグによって阻まれてしまった。 「No.0の方がモルモットらしいけど、モルモットというよりはペットみたいに可愛がるつもりだから名前も可愛い方がいいだろ?なあ、レイ」 ヒロは頭から顎にかけてを優しく撫で、再びぞわりと寒気を覚える。独り言のようにヒロが何かを探しながら喋っているが、どうやら日本語を話しているようで、その内容を理解することは出来なかった。 どこかで隙をみて逃げ出さなければ、組織の恥になってしまう。そんな思いを頭で巡らせているうちに、指ひとつで身体をゆっくりとなぞられた。 「うっ…うぐ…」 「可愛い反応だな、実験しがいがある。目隠しされてる分、どこをどう触られるのか分からないから流石のお前でも効くだろ?」 相手から目は見えていないが、キッと強く睨みつける。 そんな抵抗も虚しく、その手は動きを止めることなく身体中をまさぐる。動きやすさを重視して作られた特製のスーツ越しに指の感覚が伝わってくる。目が見えないせいでその感覚は過敏に感じとられた。 「どうなってんだこの服、ぴったりした素材だけど水着とはまた違うしなぁ…ゲームのキャラクターが着てる服みたいだ」 「んぐ…っ」 スーツの生地を摘むのと同時に皮膚も引っ張られ、若干の痛みが伴った。痛みと言っても僅かなものだ。実際爪を剥がれる位は覚悟していたが、ヒロは一向に身体を優しく撫でるだけで、実験というのが何を示しているのかも未だ分かっていない。 「いきなりやっても面白くないしな…まずは地道にやってくか」 「んっ!…ふうっ……」 身体中を撫で回していた手が、今度は胸元をしつこく撫で始める。男相手にこんな事をしてくるなんて気持ち悪い、ただその一心である。 まさかこの男には少年愛の性癖でもあるのだろうか。だとしたらとんでもない男に捕まってしまった、一刻も早くここから逃げて組織に戻らなければならないという気持ちがより強くなる。 「言っとくが俺はショタコンじゃないからな。お前は西洋人ぽいし発育もいいから14歳でもギリギリいけるってだけだ、勘違いすんなよガキ」 「んっ…んん…」 よく分からない日本語を交えながら話しつつ、変わらず手は胸元をまさぐり続ける。 そしていつの間にかただ撫で回していただけの手が、スーツ越しに指で胸の突起を押しつぶすように動きを変えた。 「ん…っ、んん…」 「お、反応良くなってきたな。最初から乳首で感じられるってことは開発済みか?偉いぞ〜レイ」 「んぐっ…!」 その男の下品な言葉についカッとなる。しかし、今拘束されているこの状況では何も言い返すことが出来ない。 突起を何度も執拗に捏ねくり、強く摘まんだり、時には爪でひっかいたりと試すように弄られ続けた。変に反応してしまっては相手の思うつぼだ。吐息が漏れないように息を止めては、刺激によって余計くぐもった声がボールギャグから溢れ出る。 「そろそろこれ、使ってみるか」 そう言うとヒロは手を止めた。何かを手に取って液体を注いでいるような音が聞こえてくる。その間に何とか呼吸を整えるが、ボールギャグをしているせいで唾液が僅かに口から垂れ流され、なんとも不快だ。 「ん…っ!」 急にひやりとした感覚が襲う。恐らく何かの液体がスーツの上から垂らされたのだろう。もしこれが毒薬であったら、直接塗りこまれてはひとたまりもない。 「安心しろ、これは危険なもんじゃない。俺が作った気持ちよくなれる薬さ」 まさか媚薬や違法なドラッグの類なのだろうか。言われてみればスーツから浸透して肌に染みるそれは、段々と熱を帯びてきているような気がする。 そんなくだらないものの実験を調査しに来ていたのかと思うと心底自分に呆れる。組織にもなんと報告したらいいものなのか分からない。 大体、なぜこんなくだらない研究をしている実験室に警備などがつき、こんな壮大な施設の使用を許可されているのかも謎だ。 恐らくメインはドラッグ関係のものなのだろう。大した情報にはならないなと溜息をつきたくなった。 「考え事する余裕があるみたいだな。俺が作った中じゃ弱い方だが、今から効果をお手並み拝見といこうか」 さっきと同じことをされるならまだ耐えられる。薬漬けにされる前に、さっさとドラッグの資料だけでもデータを抜き取って帰りたい。そう思っていたのも束の間、ヒロの指に突起を強くつねられた。 「んんっ?!…ん、んんっん…ぐっ!」 「効果はまずまずかな?はは、乳首ビンビンになってるじゃん。そんなにイイのか、レイ?」 自分はレイじゃない、名前なんて初めから持っていない。組織の中でも優秀だったはずのNo.0が、自分が音を立てて崩れていく。ヒロに言われた通り胸の突起は熱く、硬くなって疼いている。男の自分がそんな所を弄られた所で快感を得るはずなどないのに、まるで身体を女に変えられてしまっているみたいだ。 「レイは強くされるのが好きか?爪で引っかかれるのは?」 「んっ!ん、んん!んっ!」 「そうか、こっちの方が好きか。もっとしてやるよ」 カリカリと指が何度も突起に擦れては引っかかり、その刺激に腰が震えた。自分でもそんな所をいじった事は無いのに、敵国の、ただの変態趣味を持った科学者にこんないたぶられるなんて。 男のくせにそんな場所を弄られて快感に身をくねらせるなど、屈辱でしかなかった。感じたくなんてないのに、視界が奪われ、そのせいで余計に感覚がダイレクトに伝わってくる。いつどのタイミングで身体を触られるのか、動きの気配を察知し慣れているはずの自分でも予測する余裕がなかった。 「んっ!んん、んぐっ…ううっ!」 「気持ちよさそうだな、乳首だけでこれなら上出来だ。次は…コッチにしようか」 コッチというのがなんなのかも分からず、首を振りながら熱くなった突起の快感に耐える。 一度またヒロの手が止まると、今度は体全体に液体が垂らされていくのであった。

ともだちにシェアしよう!