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第4話 実験開始②
液体、もとい媚薬のせいか先程突起に感じていた熱さが全身に広がってゆく。そしてあろう事か、自分でもほとんど触ったことの無い下半身にまでその熱さはじわじわと広まってしまう。
動きやすさ重視のぴったりとした素材が仇となり、薬が染み込んで肌に密着する。下半身がやけに熱い。自分ではただ排泄するためだけの器官だと思っていたそれが、熱を帯びているのが不思議でしょうがなかった。
「14ならオナニーくらいしたことあるだろ?」
「んっ…ぐ…」
「ああ、外さないと分かんねえか。舌は噛むなよ?」
ようやくボールギャグが口から外される。外された瞬間激しく咳き込み、唾液が顎を伝って垂れていった。
「ふざ…けるな、訳のわからないことを…」
「まさか一回もしたことないのか?マスターベーションって言っても伝わらねえの?」
自慰行為の存在自体は知っていたが、またしても下品な言葉に顔まで熱くなる。自分は組織のためだけの存在であり、そんなこととは無縁だと思っていた。自分に生殖機能があることさえ不必要だと常々感じていたほどである。
そのはずなのに、そこは熱を帯びて硬くなり、自分では見えていないがスーツを押し上げるように膨張していた。自分では見えなくても感覚は分かる。相手からこれが見られていると思うと羞恥で顔が余計熱くなるのだった。
「14歳にしてはまあまあな大きさだな、自分で触ったこともないのは信じられんが」
「…っふざけるな!今すぐ解放しろ!」
「解放したら暴れるだろ、大事なモルモット逃がすような事しねえよ」
「あっ…やめろ、触るな!」
ズボンのウエスト部分を軽く持ち上げられる。中を覗き込まれているような気配に、つい歯を食いしばってしまった。
「まだ一回も自分で抜いたことないのか、いじりがいがあるな」
「あっ!…うぐっ…んっ」
「そんな歯ァ食いしばったら頭痛くなるぞ、もっと快感を受け入れろよ」
「い、やだ…あっあ…やめっ」
そこを触られただけでどうしようも無い快感に襲われる。歯を食いしばってでもいないと理性が飛んでしまうような気がして、下半身に自分の意識が行かないように逃げることだけをひたすら考えた。
考えたところで、ここからすぐ逃げられるわけが無い。武器もなく、拘束されている限りこの男を倒すことなんて到底無理だった。
組織に連絡するすべも今はなく、一人で辱めにあう他ないのだと理解してしまうと、絶望の二文字が頭の中を過ぎった。
すると突然、鈍い振動音が耳元で聞こえてくる。見えていないからそれが何なのか特定することができない。まさか電動のドリルや刃物の類では無いだろうかと、冷や汗が身体を伝う。
「怖がるなって、ただのマッサージ器さ」
「そんな物、で…何を…っあ!」
その振動する丸みを帯びた何かが、痛いほど固くなった胸の突起に触れる。触れるか触れないかの絶妙な位置でそれは振動を続ける。
優しくもどかしい様なその刺激に、歯を食いしばっていなければつい色めいた気持ちの悪い声が盛れてしまいそうだった。
「んんっ…ふっ…あ、やめ…」
「まだlowだぞ、ここでギブアップされちゃ困るねぇ」
「あがっ…あっ!あ、いやだ…っ!」
機械は微振動を続けたままグリグリと胸の突起を押しつぶす。薬のせいで触れられるだけでも辛いのに、容赦なく振動をくわえながら強く押し当てられる。自分の声とは信じ難いようなだらしない下品な声が冷たい地下室の壁に吸い込まれていった。
追い打ちをかけるように、もう片方の胸に同じ機械が触れる。
「あぁっ!あっ、あ…っやめろ、や、めろ!あぁっ、やだっあっ…」
半ば懇願するように、悲痛な叫びをあげる。これなら爪を剥がれる方がずっとマシだ。寄りによって敵国の見知らぬ男に、こんな醜態を晒さなければならないのなら死んでしまいたかった。
「乳首に電マあてただけでそんなに声出すなんて、余程好きなんだな?こんな変態趣味のガキが優秀なエージェントだなんて誰が信じるんだ」
「い、うな…!あっ、あぁっ…も、やめ…っ」
「そんなに言うならやめてやろうか?」
ヒロは言った通りその機械を体から離した。男なのに、こんな所を刺激されただけで情けない声を上げてしまった。息が整う間もなく、再びあの振動音が耳元で鳴る。
「これをさ、コッチにあてたらどうなっちゃうんだろうなぁ」
「こっ、ちって…やだ、やめろ…ふざけるな!」
機械が身体の上を滑り、硬く熱くなってしまったそこへと近づいてきていた。
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