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第5話 実験開始③

「あっ…!あ、あぁぁっ!とめ、ろ!いやだっ!あっ、あぁっんっ!」 その振動は下半身を伝い、スーツ越しに自分の硬くなったそこを刺激してきた。想像していた何倍もの快感が身体中を駆け巡る。性的な快感など今まで知ることすらなかったのに、こんなところで嫌という程知らされるはめになってしまった。 暴れようとした手足はきつく締められた拘束具の金具を犇めかせるだけで、快感から逃げさせてはくれない。 まるでスーツの上からその形を確かめるように、ゆっくりとなぞりながら機械を押し当てられる。いつの間にかスーツの中は先走りで粘付きはじめていた。 「そんなに気持ちいいのか?レイ。だらしねぇ声だな」 「あがっ…や、あっ!あぁっ…っんんっ、やめ、ろ…へん、たい!」 「電マで亀頭責められてアンアン言ってるやつに変態なんて言われたくないな。そうだ、そろそろこれつけてもいいだろ」 振動はそこを刺激し続けたまま、ヒロによって額に何か小さいパッドの様なものをいくつか貼られたようであった。 「なっ…これ…あっ、あぁぁっ、も、やめっんつ!」 「脳波を測ってんだ。ついでにオーガズムなんかもこれで測れちまうスグレモノだぜ」 そんなものを測られてたまるものかと藻掻くが、今は頭を振り乱すことしか出来ない。 視界が未だ見えない中で、刺激を与えられているそこにしか意識がいかなかった。 すると振動の強さが急に切り替わり、大きな鈍い振動音をたてながら先走りに濡れる先端をぐりぐりと押し潰してきた。 「ああぁぁぁぁっ!!やめろっ!そんな、あっいやだ、も…っこれ、いじょ…っ」 「モニターの表示で、お前が今どんな状態なのか一目で分かるんだ。そろそろイキそうなんだろ?」 言葉自体は何となくわかっていても、その絶頂というものが一体なんなのかが分からない。感じたことの無い快感に身体を操られているようで、恐怖すら覚えていた。 ただ、間違いなく身体が射精というものに導かれているのだと思うと、それを阻止するように歯を食いしばって耐える他なかった。 それでも振動は更に強くなり、限界を迎えてしまいそうなそこを刺激し続ける。 「やめろ!やめ、ろ…っ!いやだ、あっ、あぁっ…!うっ…ぐっ」 「スーツの下はノーパンなんだな。スーツの布一枚隔てて電マあてたら、痛みもなく余計気持ちいいだろ?」 「あぁっ…あっあっ、やっ…もうっ…あっ、あっ!」 「…意外と早かったな、イッていいぞ」 この男の前で射精なんてしてしまおうものならこの世の終わりだと歯を食いしばっても、やはり快感の波は押し寄せるばかり。 とどめのようにまた強く機械を押し付けられると、頭の中が一瞬真っ白になって身体中が痺れるように震えた。 「っあぁ!あぁぁぁぁぁっ!やだっ、いやだっ!く、そ…っんんっ、あぁっ…!」 腰を突き上げ、身体がビクビクと痙攣する。口は開きっぱなしで荒い呼吸を繰り返し、機械が離れ腰がまた落ちると、スーツのズボンの中が自分の吐き出した精により熱く濡れていることがわかった。 有り得ないほどの不快感と屈辱で、歯が折れそうなほど強く噛み締める。顔全体に熱が広がり、今にも頭の血管が切れそうな程であった。 「レイ、敵国のよく分からん男に射精の一部始終見られた気持ちはどうだ?」 「…殺す、絶対に殺してやる…!」 「ズボンの中精液でベチャベチャにしたガキに凄まれても怖くないなぁ」 「っ…!!」 わざとらしく笑いながら馬鹿にされ、かっと頭に血が上った。こいつを殺すどころが、自分も死んでしまいたい。一体自分は何をしにここに来たのだろうか。簡単な調査のはずが、捕らえられてここまで侮辱されなければならないとは。 隠すことも出来ない殺意をあらわにしながら息を荒らげていると、またしてもあの振動音が聞こえてきて思わずビクッと体が震えた。 「お前…な、にを…」 「レイには、もう少しだけ頑張ってもらわないとな?」 そう言うやいなや、達したばかりのそこに再び振動する機械があてがわれた。 今度は容赦などすることも無く、強い振動がまたそこを刺激し始める。 「あぁっ!あ…っきも、ち、わる…ふざける、な!」 「今は気持ち悪いだろうな。けどこれを超えるとまた気持ちよくなれるんだぞ?」 どうやら達してすぐ刺激を加えられると、快感よりも気持ち悪さが上回った。むず痒いような気持ち悪さに、また歯を食いしばってしまう。 「うっ…う、ぐっ…」 「気持ち悪いよな、ごめんな?けど、そろそろ来ると思うぞ」 何が来ると言うのだと視界を布で覆われたままヒロのほうを睨みつけていると、突然身体中にぶわっと何かが広がり熱が集まってきた。 「っ?!なっ…んだ、これ…」 さらに振動は続き、いつの間にか先程よりも強い快感が襲ってきていた。 一度萎えたはずのそこも再び硬さを取り戻していて、快感に応えるように脈を打っている。 「あがっ…あっ!むり、やめろ…っ!も、こんな…っあぁっ!」 また何かが身体を駆け巡る。今度は射精とは違う排尿感のようなものが迫っているのがわかった。射精に続けて失禁だなんてたまったものではない。それなのに、体は言うことを聞かず快感の先へ向かっていく。 我慢なんてとてもできるものではなく、仰け反って体を椅子に打ち付けても容赦なく快感の波が体を襲った。 そして、次の瞬間何かの糸が切れたように、また頭の中が白く塗り替えられた。 「っあぁぁぁぁぁぁ!あぁっ、あっあっいやだ、とまれ、やだっあっあっ!」 体が大きく跳ね、スーツの中に勢いよく尿のような液体が溢れていく。恥ずかしさや悔しさよりも、どうしようもない快感で頭の中がいっぱいだった。 「いやだ、あっ、あぁっ!まだ、でるっ…!とま、れ…とまれっ…いやだ、あ、あっ、あぁぁぁぁっ!!」 止まって欲しくても振動も液体が溢れるのも止まってはくれない。仰け反った身体はまた椅子に打ち付けられ、力が入っていた手足は力なくだらんと垂れ下がった。 「初めてにしては上手に潮吹きできたな、レイ」 そんなヒロの声が、段々と遠ざかっていくような気がした。

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