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第4話

「ねぇ…」 「ん?」 何回かの行為の後、僕の身体を綺麗にしてくれている小関さんに声を掛ける。 「お願いがあるんだけど」 僕の言葉に『又、変な事を言い出すんじゃねぇだろうな?』って顔をした小関さんに 「セフレになってくれない?」 と言ってみた。 小関さんは『やっぱり』って顔をすると、大きな溜め息を吐く。 「断ったら、どうせ他の人を探すとか言い出すんだろう?」 そう呟く小関さんに 「当たり!」 って笑顔を浮かべる。 僕の頭をくしゃくしゃと撫でて 「で、何で恋人じゃなくてセフレなんだよ」 と聞いて来た。 「恋人は…要らない……」 ぽつりと呟いた僕を抱き寄せて 「じゃあ、約束してくれないか?」 そう言うと 「お前が望むならいくらでも相手をしてやる。その代わり、他の奴と遊びで関係を持つのだけは止めろ。好きな相手なら、何も言わない。約束出来るか?」 と続けた。 僕は頷いて 「分かった。その代わり、僕に関係無く小関さんは恋人作ったり、結婚してね」 と約束した。 あれから4年。 関係は未だに続いている。 大学を卒業しても、僕は大学院生として大学に残っていた。 「あっ……もぅ……いくぅ……!」 慣れ親しんだ肌に爪を立て、激しく突き上げらて全身を震わせて果てた。 『ドサリ』と身体が重なり唇が重なる。 「んっ…」 絡まる舌が、イッたばかりの敏感な身体に再び火を灯す。 潤んだ瞳で見上げると、果てた筈の僕の中にまだ入っているモノがググッと硬さを戻す。 「やぁ…ん…」 思わず出た甘い声に 「お前、そんな風にあちこちに色気振り撒いてんじゃねぇ~だろうな?」 苦笑いする小関さんの額に貼り付いた髪の毛に触れると、手を取られて手の平にキスを落とされる。小関さんは、あれから特定の恋人も作らずに1人を貫いている。 いつだったか、何故恋人を作らないのかを聞いてみたら 「毎週、空になるほど求められてたら、他に行く気力なんか出るかよ」 って、言われたっけ。 「おい、聞いてるのか?」 ぼんやりと考えている僕に、小関さんが聞いて来た。 「さぁね…」 曖昧な笑みを浮かべてから 「ねぇ…、もう我慢出来ないんだけど…。」 甘えるように、小関さんの足に足を絡めて腰を自分で揺らす。 「クソガキが、とんでもない淫乱になっちまったもんだ」 呆れたように言われて、僕は首に腕を回し 「嫌い?」 って甘えたように訊ねる。 すると、さっき硬さを取り戻した僕の中のモノが強度を増す。 「あっ…ん…。ほら、そっちもその気になって来たでしょう?ねぇ…もっとしてぇ…」 潤んだ目をして、小関さんの唇を舐める。 噛み付かれるように唇を奪われ、腰を引き寄せられて乳首をぎゅっと強く摘み上げられる。 「んぅ…!」 凄い刺激にくぐもった声を上げると、唇が離れて、摘み上げられている乳首と逆側を舌でしゃぶられる。 「あっ…!」 凄い刺激に、小関さんの頭を抱き寄せる。 『ジュル』っと音を立てながら、突起を甘噛みされならがら腰を打ち付けられた。 「あっ…!それ……ぃぃっ…!」 もっと…と、強請るように小関さんの頭を胸に押し付けるように抱き寄せ、動きに合わせて腰を振った。左右を甘噛みされ 「もっと…、もっと…してぇ…!」 自分の腰の動きを早く振る。 ギシギシとベッドが軋む音と、肉のぶつかり合う音が響き渡る。 ガクガクと揺すられ、あまりの快楽に口元から喘ぎ声と共に涎が流れると、小関さんの舌が舐め取る。 好きとかそう言う甘い言葉を交わした事は無いが、小関さんの気持ちに気付いてはいた。 自分を抱く腕が、いつも優しく甘い訳……。 「あっ……アアッ…んっ…はぁ…」 抱え上げられ、宙で揺れる足をぼんやりと見つめていると、汗で濡れた小関さんの顔が僕の唇ギリギリ触れない場所まで近付き 「和哉……俺を見ろ……」 そう囁いた。 ゆっくり小関さんの顔を見つめると、『ズン』っと深く腰を打ち付けられて仰け反る。 「はぁ……!」 打ち付けられた腰を、ぐるりと円を描くように腰を動かされ、グイグイと奥を抉られた。 背中に爪を立てて 「あっ、深ぁ……ぃぃっ!」 首を振る僕の顎を掴み 「和哉……お前の中に…居るのは誰だ?」 グリグリと奥を刺激するように腰を掴み、ピッタリと身体を重ねた状態で腰を進める。 涙で歪む視界で、そっと小関さんの両頬を挟み 「こせ…き…さ…んンっ……」 切れ切れに答えて、唇に唇を合わせようとすると、更なる奥を求められるようにグンっと押し入れられて 「ひぁっ……!」 って悲鳴が上がる。 「違うだろ!…どっちの…小関だよ?…。お前を……抱いてるのは…」 ピッタリと蓋をされ、身体をくの字曲げられて更に奥に進まれる。 「だ……だめぇ……それ以上、無理ぃ…」 瞳からは涙が溢れ、唇は閉じる事を忘れてしまったかのように空いたまま、喘ぎ声と飲み込めない涎が流れ落ちて行く。 「答えろ!…和哉!」 強く抱き締められて、足が胸に着く程に折り曲げられて、円を描くように腰を動かされ、グッグッと奥だけを刺激し続けられて意識が飛びそうになる。 「ま……さ…よ…し…さん…」 名前を呟くと、顎を捕まれて 「もう1回、呼べ!」 そう言って、腰を引いて『パン』っと音が響くほどに強く穿つ。 「ああっ…!政…義さ…ぁっ」 名前を呼ぶ度、強く抜き差しをされて意識が遠くなる。 「政義……!政義……!」 更なる刺激を求めて名前を呼ぶと 「和哉!……俺を……俺だけを見ろ!」 唇を重ねられ、舌を絡められて強く吸われながら腰を打ち付けらる。 唇が離れ、パンパンパンパンと激しい音が鳴り響き渡り 「あっ……!あっ……あっ……」 身体がもうじき、絶頂が来る事を教えるように震え出す。 「和哉……っ!」 と、小関さんの声と共に、2、3回強く腰を打ち付けられて、最奥にドプリと熱い塊が弾けた。 「あっ……アアっ!…」 チカチカと白く目の前がスパークして、触れられても居ない僕の猛りも果てた。 荒い呼吸が響き、顎を小関さんが掴んで唇を重ねる。 「和哉……愛してる……」 囁かれ、強く抱き締められて僕は瞳を閉じた。 そして小関さんの背中を抱き締めると 「小関さん、契約違反ですよ」 と、答えた。

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