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第13話

荒い呼吸を整えようと必死に息をしていると、腰に枕を入れられて足を持ち上げられる。 「ち……ちょっと、まだやるのか?」 叫んだ僕の声を無視して、昨夜、散々嬲られた秘部を舌が這う。 「あっ……!」 仰け反って声を上げると 「大丈夫です。昨日、ちゃんと処置したから、切れていませんよ」 そう言って舌先を窄めて中へと突き入れられた。 「あ……いやぁ……」 彼の硬いストレートの髪の毛を掴み、抵抗しようとすると、唾液を流されて舌と一緒に指が差し込まれた。 にちゃにちゃと音が響き、意識が朦朧とする。 すると、彼は枕の下に入れおいたらしい潤滑剤を取り出し、抜き差しする指を左右に広げて中へと注入した。 『ぐじゅっ』と言う湿った音。 中を掻き回す指の動きを知らせる『ジュブジュブ』と鳴り響く水音。 いつの間にか拘束を解かれた腕は力が入らず、唇から漏れる声を噛み殺すように、握りしめた手の人差し指を噛む。 そして両足を抱え上げ、ズプリと彼の太い楔が差し込まれた。 「あぁ!」 仰け反る喉に噛み付かれ、頭を抱き締める。 「くそ!何度ヤッても、おさまらねぇ…!」 吐き捨てるように発した言葉に、彼の余裕の無さを感じて思わず抱き締める。 「抱き潰してぇ…」 思わず発したような言葉に、彼の頬に両手で触れる。汗が滴る余裕の無い顔さえ綺麗な彼に、思わず唇を寄せる。 彼は僕の意図に気付き、嬉しそうに微笑んで唇を重ねる。 下からの突き上げらに揺れる視界の中、僕は2度目の絶頂を迎えた。 「信じられねぇ!」 ベッドで再起不能状態で叫ぶ僕に 「何言ってるんですか!あなただって、ノリノリで腰を振りまくってたじゃないですか!」 顔色も変えず、僕の身体をベッドに横たえてそいつが返す。 2度目の絶頂の後、中出ししたモノを洗うからと嫌がる僕を浴室に抱き抱えて連れて行き、シャワーで掻き出す行為に欲情して、結局、風呂場でもこいつにむちゃくちゃに抱かれた。 さすがに指1本も動かせなくなって、身体を綺麗にされた後、パジャマに身を包んでベッドに寝かし付けられた。 (恐るべし…10代の体力と精力) ぐったりしていると、顎を掴まれてキスを落とされる。 ふざけるな!と言おうとして、口に流し込まれた水を口の中で受け止めて飲み干す。 身体が水分を欲していたみたいで、ほっと息を吐くと再び水を口移しで流し込まれる。 飲み込めなかった水が唇から流れると、彼がペロリと舐め取り頬にキスを落とす。 「すみません。淫らで可愛い恋人に、嬉しくて歯止めが効きませんでした」 彼の言葉に、僕の目が点になる。 「何だって?」 掠れてほとんど音にならない声を出すと 「忘れたんですか?」 と、呆れた声を出されて疑問の視線を向ける。 彼はベッドのサイドボードに置いてあるスマホを取り出し、画面を僕に向けた。 そこには、彼に突き上げられて意識朦朧した僕が写っていた。 『僕を……あっ……海の……んぅ……恋人に…して…下さ……いっ……あっ…アア!』 涙でぐしゃぐしゃの顔で、スマホを見つめて懇願している。 そっと僕の頬に触れ 「ほらね!」 って、悪びれも無く爽やかな笑顔を浮かべた。 『アア!……海、海………』 僕の情けない喘ぎ声が響くスマホを、奪おうとしても身体が動かない。 彼は愕然とする僕に、朝の爽やかな光に似合う爽やかな笑顔で 「これからよろしくね、和哉さん」 と言われて、本物の恋人のようにキスを落とされた。 こっの……腹黒!! 僕の力いっぱいの睨みを、彼は爽やかな笑顔で見つめていた。

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