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第45話
種の保存だとか、遺伝子がどうとかは分からないけど、そんなの関係無く好きなんだと言ったとしても、この人は素直に受け取らない気がして言葉が出せずに居た。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、和哉さんが俺の背中に乗って来て
「キーケース、開けてみ」
そう言われて、疑問に思ってキーケースを開くと、自宅の鍵2つの横に、見知らぬ鍵が掛けられていて、その横に学校のロッカーの鍵と部室の鍵が一まとめにされて掛かっていた。
和哉さんは見知らぬ鍵を俺の背後に抱き着いたまま指差し
「これ、この部屋の鍵。毎日、玄関の前で待たれるの困るから、中に入って夕飯作って待ってて」
と言われたのだ。
「良いんですか?」
驚いて振り向くと
「良いもなにも…。もう上げたんだから、返品不可な。それから、合鍵それ一個しかないから、無くすなよ!」
って言われた。
嬉しくて嬉しくて、思わず和哉さんの腕を掴んで引き寄せると、強く抱き締めた。
「痛いよ!お前、うざい!」
そう言って怒っている。
「ありがとうございます。大事にします」
泣きたくなるくらいに嬉しかった。
そんな俺に和哉さんは小さく微笑み
「オーバーだな、お前」
って言うと、俺の首に手を回した。
「ほら、さっさとベッドに連れてけよ。もう、待ちくたびれてるんだけど?」
そう言うと、妖艶な笑みを浮かべて唇を重ねる。
軽く触れるだけのキスを2、3回交わすと、和哉さんの手が俺の制服のネクタイを外し、シャツのボタンを外しながら首筋から肩へとキスの雨を降らせる。俺も和哉さんのTシャツをたくし上げて脱がせ、再びキスを交わす。
和哉さんの手が俺の両頬を挟み、求めるように唇を重ねる。
ぬるりと唇を舐められ、舌を差し込まれてお互いの舌を絡めて、求め、奪うように貪り合う。
和哉さんのズボンの留め具を外し、ファスナーを下ろすと、下着の中へと手を差し込む。
両手で和哉さんの臀を揉みながら、下着ごと一気に下へ下ろす。
和哉さんはキスをしていた唇を離し、甘い吐息を吐いた。
抱き上げると、和哉さんは膝に引っ掛かった下着とズボンを脱ぎ捨てて、俺の首にしがみついてキスを求める。
崩れるようにベッドに雪崩れ込み、欲望のまま、お互いの身体を重ねた。
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